本来はホームの筈の新日本プロレスでは、チャンスに恵まれない事もあってか、思うような活躍が出来ずにいる小島聡ですが、ご存知の通り昨年はノアでGHCヘビー級王者に輝くなどして 正当な評価でチャンスさえ与えられれば まだまだ健在である事をを示しています。
そんな中で、今年に入ってからは古巣でもある全日本プロレスに参戦をしている小島は、王道トーナメントに初参加。小島が全日本に居た頃には無かったトーナメントです。
その戦いぶりに注目が集まる中で、1回戦では斎藤レイ、2回戦では野村卓也を見事に下して 快調な滑り出しを見せ その絶好調ぶりに気を良くした小島は、高らかにこう宣言。
「誰が来ても小島聡のプロレスは変わらないし、変えようがない。その変わらない姿や主張を32年間見てもらってきた。それが信念だから。それをこれからもやるだけですよ」
「自分の中で、日本全国の50代の男性の代表っていうくらいのつもりでやっているので」
52歳で32年のキャリアを持つベテランならでは言葉で、若い選手も多い全日本の中で32年の歴史で培ってきた”小島聡そのもの”を見せると公言。
そして日本全国の50代代表のつもりで、この王道トーナメントを闘うと口にしました。
同年代のプロレスを観ている人間からすれば、これは非常に心強い言葉ですね。
そして有言実行 小島は文句の付けようのない結果を残しました。
準決勝では、大巨人・石川修司を撃破し決勝戦に駒を進めると、相対するのは本田竜輝。
今年のチャンピオンカーニバルで不覚を取っている相手なので、小島にとっては、その時のリベンジマッチとも言える一戦。
本田はまだ23歳と若く 親子ほども離れている年齢差なので、体力差は当然あるでしょうが、小島は一歩も引かずに真っ向勝負を展開。
何度も本田のラリアットを受けるも逆に強烈なラリアット1発で本田を吹っ飛ばし 右腕一本で生きてきた男の強さを見せつけます。 そして最後は渾身のラリアットを叩き込み完璧な3カウント。
小島聡52歳にして王道トーナメント
初出場・初優勝!
これは堂々と胸を張れる素晴らしい結果です。 若く大きい選手の多い全日本で体力的な全盛期はとうに過ぎた小島がこれだけの結果を残したのだから、正しく50代の星とも言えると思います。
この結果に勇気を貰った人も多いでしょう。
世間的には「オジサン」といわれる年齢かもしれませんが、今回の小島の活躍を観て改めて思いました。
プロレスに年齢はさほど重要な事ではない。
そりゃあ若いときに比べたら、力や体力は衰えるでしょうが、それを補って余りある長年研鑽された技術と経験は、どう足掻いても若い選手では太刀打ちできない部分です。
新日本ではいまいち冷遇されている小島ですが、これが今尚衰えない小島聡の本当の力なんでしょうね。
取り敢えず これで次の展開が楽しみになってきました。
トーナメント優勝者は3冠ヘビー級への挑戦が通例となっているので、次の目標は青柳優馬のもつ3冠王座になります。
かつて小島も巻いた事のある3冠王座ですが、それは今から13年も前の事。
今ではベルトその物も そこを取り巻く環境も大きく様変わりしているので、そこに今の小島が絡んで行く事では、どんな風景が広がるのか楽しみな部分ではありますね。
9月3日の新潟・アオーレ長岡大会での王座戦が決定となった訳ですが、あまり長い期間を開けないのは良いですね。今回の小島優勝の熱が覚めない内の早期挑戦は良い事だと思います。
青柳優馬vs小島聡
この対決は、世代闘争の側面もあれば団体対抗戦の側面もあるのでしょうが、そんな背景よりも一個人としての小島聡の闘いに、どうしても期待してしまいます。
そんな期待を抱かせるだけの物が、小島にはまだまだ有るという事です。
出来る事なら、この活躍をホームの新日本のリングでも見たい物ですが、この勢いを全日本だけでなく新日本に帰ってからも持続して欲しい所。
そして13年振りに、3冠王者になった小島の姿も見てみたいですね。
まぁ一方の青柳からすれば、せっかく永田裕志から奪回したばかりのベルトを 今度は小島に獲られてしまっては、元も子も無いので それこそ死に物狂いで防衛戦に挑むでしょう。
世代も団体も違う2人の対決は、どんな結末を迎えるのか?
プロレス界の為にも新世代の青柳には期待したいのですが、大ベテランの小島にも期待しているので、どっちに勝って欲しいかは、正直微妙かも。
でも残された時間を考えると、小島の3冠挑戦に関しては他団体と言うこともあり、今回が最後のチャンスになる可能性が高いので、今回は小島に”第三世代代表”として
そして”50代代表”として
3冠王座をその腰に巻いて欲しいと思います。