ジム・スティールのターボドロップⅡ

サイドスープレックスの体勢から、回転しつつ相手を肩の上に仰向けに担ぎ上げ その回転を活かした状態で前方に相手を豪快に放り投げ、投げられた相手は遠心力が効いているので、スピンしながら投げられ叩きつけられる事になる非常に見栄えの良い技。

ジム・スティールのオリジナルホールド。

 

スティールは実力がありながらも、当時主戦場にしていた90年代後半~2000年代前半の全日本プロレスでは惜しくも中堅の域を出ない選手ではありました。

でも このターボドロップⅡは、とにかく派手で見栄えも良いし あれだけクルクル回って叩きつければプロレス技的な説得力は充分ある様に感じるので、もしかしたらターボドロップⅡさえ決まれば もう少し上まで行けるんじゃないか?と思った物ですが、残念ながらそのチャンスは訪れませんでした。

 

当時の全日本は外国人天国と言われるほどに、大型で人気のある実力派の外国人がズラリと揃っていたので、スティールは時代が悪かった・・・と言うしかありませんが、それだけに2001年の全日本プロレスvs新日本プロレスの対抗戦時に参加したG1タックリーグでは、ターボドロップⅡが猛威を奮いスティールとターボドロップⅡが注目を浴びたのは、何だか嬉しかったですね。

 

それまで中堅だったスティールが旗揚げ戦から快進撃をを続け、フィニッシュこそチームリーダーのマイク・バートンが取る事が多かったですが、スティールのターボドロップIIを初めて見た新日本ファンは、かなりの衝撃を受けたそうです。

この当時の新日本では、あんなにクルクル回しながら放り投げる技なんて無かったので驚くのも無理はないのですが、この技があったからこそG1タッグでのスティールでの大躍進があったのは、間違い無いでしょう。

この技で、当時はまだ若手だった棚橋弘至を2度に渡り葬っている。

 

G1タッグは惜しくも準優勝に終わりましたが、全日本では中堅だったスティールが新日本のタッグリーグで準優勝と言うのは凄い事ですが、新日本ファンとしてはスティールの凄さは認めつつも悔しかったんじゃないでしょうか?

スティーブ・ウィリアムスや太陽ケアなら いざ知らず、中堅だったスティールのあの活躍ですからね。

 

でもスティールはサイズも大きいのに身体能力も凄いし、プロレスだって下手ではありません。 何よりドハデで説得力抜群のターボドロップⅡを見せられてしまっては、スティールの好成績には文句の付けようもありません。

それは決勝戦で闘った天山広吉&小島聡も認めている部分。

 

G1タッグ準優勝の成績を手土産に全日本に凱旋した際には、後輩ながらも当時最も勢いに乗っていた格上の太陽ケアからも、ターボドロップⅡフォールを奪っている。

しかし惜しくも世界タック奪取に失敗すると同時に失速してしまい、新日本移籍から全日本再参戦を繰り返している内に、いつの間にかフェードアウトしてしまいました。

これは本当に惜しかった・・・

 

スティールのターボドロップⅡがもう一度観たかったです・・・