小島聡のいっちゃうぞエルボー

小島聡の通称いっちゃうぞエルボー。

これはあくまでも通称であり、正式名称ではなく仮にこれでフィニッシュしたとしても こう表記される事はありません。

ダイビングエルボードロップです。

 

しかし これ程会場と一体になり、盛り上がる技もなかなか無いので、小島の試合には欠かせない 1996年の凱旋帰国以降ずっと使い続けている技です。

 

相手を対角線に振って 串刺し式のエルボーを食らわして、前方に放り投げてから

「いっちゃうぞ!バカヤロー!!」

と大きく叫んでからの「ダイビングエルボードロップ」。

 

小島の代名詞的な繋ぎ技ではありますが、小島のエルボードロップはフォームも綺麗だし重量感もあり体重も乗っているので、何気にエルボードロップの名手だと思います。


「フォールを取れないのが悩み」と語っていた事もありますが、凱旋直後には何度かしっかりとフォールを奪った事もあります。

本人にその気さえあれば、充分にフィニッシュとしても使えると言う事なんですけど、25年以上も昔の話だし、今では積極的にこれで勝ちに行くのは、まず有り得ませんね。

 

これは凱旋直後に比べて 小島最強の必殺技のラリアットが、本家スタン・ハンセンに伝授された事で、一撃必殺として完成したからと言う事もあるでしょう。

 

2004年には「いっちゃうぞエルボーで満足してる」と武藤敬司に酷評された事もありますが、なまじ一体感がある技のせいで、会場が盛り上がるのは良いけど、その時点で満足してしまっていた当時の次期エースだった小島への期待から出た叱咤だと思います。

パフォーマンスはプロレスラーとしては大事な要素ですが、そこには闘いありきであり、繋ぎ技である以上は試合はそこから まだまだ続く訳ですからね。

武藤の目には小島の格からして、そこら辺が物足りなく映ったのでしょう。

 

この時は、小島がいっちゃうぞエルボーを狙って叫ぼうとした所を武藤に攻撃をされて、得意パターンを潰されると言う苦しい時期が続きました。

そこを叫ぶ前にエルボーを落とすなど、パターンを変えバリエーションを増やして、お決まりの試合内容ではなく 幅を持たせる事で、武藤の厳しい指摘を全て乗り越え 川田利明から三冠を奪取して、名実ともに全日本のエースにまで登りつめました。

この後に、三冠&IWGPの史上初の5冠王にまでなってるんだから凄いですよね。

 

ちなみに「いっちゃうぞ!バカヤロー!」のシャウトは相手に対してのアピールだと思われがちですが

「俺がバカだから、自分に言ってるんです」

と本人自ら語っていますが、そんな事無いと思うんですけどね。

 

社会人経験もあるしレスラーの中では一般常識も持ち合わせていた方じゃないでしょうか。

 

あっ

「1+1で200だ! 10倍だぞ!」って言ったアレですか?