革命戦士・長州力の最も有名な一言ですが、実はこの発言に関しては、真実は闇の中となっています。
この言葉が生まれたのは、1982年。
長州とその終生のライバル藤波辰爾(当時・辰巳)が、天下取りを目指してかけ上がっていた頃です。
長州は、ミュンヘンオリンピック代表と言う輝かしい実績を持ってプロレス入りした物の実際はエリートと言うよりは、雑草としてプロレスを学んできたと思います。
対する藤波は、格闘技経験も無いまま プロレス入りしたにも関わらず アントニオ猪木にも目をかけられ正にエリート街道を歩んできました。
二人の経歴を考えると 長州がエリートで藤波が雑草になりそうな物なんですが、やはり藤波の端正なルックスと その圧倒的な人気のせいでしょうか。
藤波が新世代の格付けでは、NO.1に位置していました。
長州としては、当然これは面白くなかったでしょう。
年齢では長州が2歳上
キャリアでは藤波が3年先輩
ここいらも二人の関係が、ややこしくなる要因だったと思いますが、当時の戦績では何と藤波の6戦全勝。
近年でこそ同格で勝ったり負けたりのライバルだった2人ですが、この当時は雑草の長州は、エリート藤波に勝った事は、只の一度も無かったので、藤波に対するジェラシーはかなり凄かったと思われます。
そんな中で、組まれた何気ないタッグマッチで藤波をパートナーとして戦う時にも「何で俺が藤波のテーマで入場して、藤波より先にコールされるんだ」と常にジェラシーを抱いていたと言います。
溜まりに溜まって遂に爆発して生まれた言葉が
「俺はお前の噛ませ犬じゃないぞ!」
長州力を代表する名言です。
輝かしいバックボーンを持ちながらも 藤波の影に隠れ続けた男の心の叫びだと思います。
この一言が、大躍進のきっかけとなり その後 藤波からのシングル初勝利も果たし瞬く間に長州は、藤波と肩を並べる存在にまで登り詰めます。
人生何が起こるか分からないもんですね。
しかし長州の有名なこの台詞
映像には、一切残っていません。
長州のこの時の心情をメディアが活字にした物とも言われており当の長州は「言った様な記憶は無いけど……言った様な気もする。」既に記憶が曖昧な様子で、ぶっちゃけ本人が分からない以上 真実はもう分かりません。
あんなに有名な台詞なのに、実際の長州の言葉じゃないと言うのなら、なかなか衝撃の事実です。
しかし仮にメディアが作った言葉だとしても その後の長州のブレイクは、藤波に対するジェラシーと のし上がってやると言う長州の野心と確かな実力が有っての物なので、遅かれ早かれあのポジションに長州が来たのは、間違い無かったでしょうね。