「猫も杓子もラリアット」と言う言葉があるように、現代のレスラーはラリアットを連発する傾向にあります。
特に1990年代は、長州力や佐々木健介らが後進の育成に当たっていた為か、ラリアッターは非常に多かったと思います。
そんな中に置いても闘魂三銃士は、個性を大事にしてかラリアットをほぼ使わない希な存在でした。
切り替えさせる前提で打つラリアットや 咄嗟に出た一発はありましたが、三人が三人とも持ち技には、していなかったのです。
しかし厳密に言えば例外はあります。
武藤敬司=グレートムタです。
武藤にしてもムタにしても ラリアットのイメージは余り有りませんが、1993年の東京ドーム大会での蝶野正洋戦
リングから出て花道での戦いになった際に、蝶野をブレーンバスターで花道に叩きつけた後に、ムタは足早に引き上げていきます。
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何をするんだ?
試合放棄?
蝶野から30m程離れた辺りでしょうか。
フラフラッと立ち上がった蝶野に、向かって全力疾走!
何とそのまま蝶野をラリアットで、薙ぎ倒してしまいました。
衝撃でした。
ラリアットに助走を付けるのは普通ですが、ここまで長い距離のラリアットは初めて見ました。
人と同じ技を使いたくないと言うオリジナリティーを大事にする武藤らしい独特なアレンジなので、これには驚かされましたね。
とは言っても正直ここまでの助走は、全く必要無いと言うか無意味なんですが、そんな事実よりもオリジナリティーとドーム映えする絵面に大きな意味があるのでしょう。
ドームの花道限定の技かと思いきや 花道の無い会場でも使用した事もありますし、当てるまでのモーションが必要以上に大きい為に、返り討ちにあった事も何度もあります。
それでも観客の目の前を疾走する姿は、訪れていたファンには嬉しかったでしょう。それだけでも この技をする事に意味が有ります。
さすがに膝の状態が悪化してきた90年代後半からは、使用しなくなりましたが、誰でも出来る単純な技にこういう形で、アレンジを加えて使用するとは、さすがプロレスの天才だなと痛感しました。
どんな技でも少しの工夫で、個性的な技になると言う良い例ですね。