今現在のプロレス界では、各団体でそれぞれ若い選手達が台頭して、新たな時代を築こうとしており”新しい景色”という言葉を聞く事も少なくありません。
それは歴史と伝統のある団体・全日本プロレスも例外では、ありませんでした。
現在開催中の春の祭典チャンピオンカーニバル(CC)
CCのファイナリスト常連と言えば、現在のメンバーでなら、諏訪魔や宮原健斗といった所ですが、昨年は青柳優馬が史上最年少優勝を果たして話題になっています。
そんな中で、ジェイク・リーも全日本を去った今、やはり彼らの対抗馬ともいうべき新たなスターの誕生は、団体としても現れて欲しい所。
そこに割り込んできそうなのが、芦野祥太郎でした。
大型選手も多くBブロックにおいて芦野は、体格差を感じさせないファイトをみせ、最終戦にて石川修司を撃破した事で、Aブロックよりも一足早く今年のCC決勝進出を決めたのです。
最終日で芦野と同点だった諏訪魔が、両リンという結末に終わった事も大きく影響はしていますが、それらも含めて流れを自分の方に引き寄せる事が出来たのは、芦野の奮闘があってこそ。
2020年から主戦場を全日本プロレスに移した芦野は、これまで世界タッグを奪取するなどタッグ戦線では、それなりの活躍をしていますが、シングルになると、未だにこれといった実績は残していません。
CCに至っては、今年で4度目の出場。
そんな芦野がようやく掴んだファイナリストの舞台というのは、生まれ育った団体が無くなり、フリーとなり全日本に流れ着いた経緯を考えると感慨深くもあります。
決して体格には恵まれている訳ではない芦野が、巨漢選手の多いCCで勝ち抜くというのは凄い事。
しかも諏訪魔と石川を撃破してのブロック突破なのだから、これは文句の付けようもなく素晴らしい結果です。
この芦野の快進撃は、実力はありながらも普段脚光を浴びる事の無かった選手の励みにもなるし、芦野を意識している選手にとっても発奮材料になるでしょう。
諏訪魔や宮原に続く選手としては、青柳が注目されがちですが、やはりそれに対抗できるだけの実績を持つ選手が居ないと面白くありません。
この芦野の決勝進出という結果からは、これからの全日本は面白くなるという予感が、ヒシヒシとします。
芦野は決勝戦で相対する相手としては、同じユニットの本田竜輝対戦を希望しており「Bブロックはとんでもねえ、デケえ奴ばかりだった。でも体のサイズだけじゃねえんだよ、プロレスは。5月7日の優勝決定戦この勢いで俺が優勝してやるよ!」と優勝宣言も飛び出しました。
芦野は年齢的には、33歳で青柳ほど若くはありませんが、プロレスラーとしては、まだまだこれからの年齢。
今まで全日本で頂点を争う事の無かった 芦野と本田との決勝戦が実現する事になったら、それは正しく「新しい景色」と言えそうです。