17年の思いを込めて・・・原田大輔最後の一分間

3.9ノア後楽園ホールで、昨年8月から長期欠場中だったノアJr.の中心選手・原田大輔が、無念の想いを抱えながらも、17年の輝かしいキャリアに幕を降ろす事となりました。

 

昨年8月の健康診断でMRI検査で、自覚症状は無いながらも「頸椎環軸椎亜脱臼(けいついかんじくついあだっきゅう)」の診断がくだり、このままプロレスを続ける事は命に関わる危険性がある為に、ドクターストップがかかり急遽引退する事となってしまいました。

余りにも急だった為に、驚いた人が多いと思いますが、原田のまだまだ長い人生を考えたら、この決断は止むを得ないですね。

ただ本人も言ってもいましたが、さぞ「無念」だったでしょう。

年齢的にもまだまだイケるし、自覚がなかったとはいえ首以外はコンディションも悪くなかったし、プロレスでやりたい事もあっただろうに、大阪プロレス時代から応援していたファンとしても残念です。

 

最後に試合をする事を認められたのは、医者が立ち会いのもとでの僅か1分のみ。

たかが1分 されど1分です。

原田は、これからも生きていく為に大好きだったプロレスを辞める決意を固め、そのケジメとして最後の1分に全ての想いと感謝の念を込めてリングに立ちました。

 

そして対角線に立つのは小峠篤司。

小峠は原田のプロレスデビューの相手であり”桃の青春タッグ”としてタッグを組みながらも、ライバルとして凌ぎを削り、小峠の後を追うようにノアに移籍した原田のノアデビューの時の相手もまた原田でした。

原田にとって小峠は、切っても切れない関係であり、最高のライバルであり最高のパートナーともいえる存在。

最後の相手として、小峠以外は有り得なかったでしょう。

 

お互いの事を最も良くしる2人だからこそ同情などしないし、それを求めません。

握手を拒否した原田は、今の自分にできる目一杯の力で向かっていきます。

 

エルボーの連打から、雄たけびを上げて、膝とローリングエルボーを叩き込むと、残り10秒で必殺の片山ジャーマンスープレックスの体勢に!

しかし流石に、首に爆弾を抱える原田にとって致命傷になりかねない片山ジャーマンは打つ事が出来ずに、ここで試合終了。

 

最後だからといって無理して片山ジャーマンを打たなくて良かったと思います。 リングを降りてこれから普通に暮らすという時に、首に更にダメージを負ってしまっては、それすらもままなりません。

原田には、これから新たな人生が待っていますから。

 

ともあれ原田大輔 最後の1分を無事に闘い抜きました! 17年の歴史はこれにて終了です。

 

原田は、最後に相手を努めてくれた小峠に対して「あなたから始まった俺のプロレス人生、最後もあなたで本当に良かったです。生意気な後輩でしたが、お世話になりました」感謝を示しましたが、原田にとって小峠は、本当に大きな存在だったんですね。

 

そして大「原田コール」を送るファンに向けては「今日でプロレスラー原田大輔は終わりますが、これからは皆さんと一緒にノアファンとして、ノアがもう一度業界ナンバーワンに返り咲く所を見ていきたいと思いますので宜しくお願いします」と挨拶。

例え現役は引退しても、心はノアと共に有るんでしょうね。 これは原田を応援してきたノアファンとしては、何とも嬉しい言葉でしょう。

 

最後は「この言葉でドカーンと終わりたいと思います。 17年間ありがとうございました!!」と絶叫。

こうして拍手に包まれながら原田大輔の17年のプロレス人生は、ピリオドを打つ事となりました。

 

これまでレスリングにプロレス・・・常に闘い続けてきた原田の人生ですが、これからは身体の回復に努めながら穏やかな第二の人生を歩んで欲しいですね。

本当に17年間お疲れさまでした!