3月19日ノア横浜武道館大会で行われるGHCヘビー級選手権の王者・清宮海斗vsジェイク・リー
今年の1月に、ノアに登場して3ヶ月にして早くも掴んだ団体最高峰への挑戦ですが、ジェイクは早くも心理戦を仕掛けていきます。
GHC王者の清宮は、IWGP王者オカダ・カズチカとの決戦に敗れたばかりで、清宮は失意のどん底に落ちましたが、追い討ちをかける様に、一部からは「王座は返上すべき」との声も囁かれていました。
そんな敗戦直後の最も落ち込んでいる瞬間を見逃さないのが、ジェイクのしたたかな所で、清宮の前に現れ「お前、もう休めよ。ベルトを持っていてもこれ以上、何も生まれない。俺が挑戦してやるよ」と傷心の王者に宣戦布告。
清宮は2018年に、キャリア3年の短さで早くもGHCヘビー級を初戴冠し、そこから挫折を味わいながらも一気にここまで駆け抜けて来ました。
そんな清宮のキャリアを指して「彼はこれまで新幹線みたいに走ってきた。だから常に眉間にしわが寄っていて、プレッシャーに押し潰されそうになっているように見える。チャンピオンがそれじゃ小さい子供も寄って来ないし、応援したくても同情の念が強くなってしまう」とジェイクは言います。
ここは以前に言っていた「暗いチャンピオン」という部分なんですが、その若さに見合わぬポジションで常にプレッシャーとも闘ってきた清宮からすれば、そうなってしまうのもしょうがない事。
最も今の清宮は、敗戦からも立ち直り気持ちを切り替えて前を向いているので、重圧から解き放たれてプロレスをしている様にも見えますが、新日本との王者対決に敗れたという事実だけは消える事もないし、ジェイクの格好の攻撃材料にもなってしまいます。
「俺がベルトを取って一旦お前を休ませてやるっていう僕の善意の気持ちです」
ジェイクは余裕の態度で、清宮の最も痛い部分を突く形で挑発をして来ますが、清宮がジェイクには余り表だって強い反論をしないのが気になる所。
オカダにやってた時くらいに、強気で煽りまくっても良いと思うんですけどね(そもそも あれは清宮らしくは無かったんだけど・・・)
「どちらのベルトが上か下かという様に見る人が多いけど、歴史から見ても自分はGHCが下だとは思わない。でもお客さんは、強い方、かっこいい方を見に新日本に行こうってなる訳ですよ。それは僕にとって商売上がったりで、生活にも支障をきたす」
このジェイクの発言に関しては、確かにお客さんの中には少なからずそういう人も居るでしょう。
そうなってしまっては、全日本退団後に新日本ではなく 敢えてノアを選んだジェイクとしては、ノアを選んだ意味すらも薄らいでしまいます。 これから自分が目指す王座・・・もしくは自分が獲得するであろう王座が、新日本より下の王座なんてレッテルを張られてしまっては、タマッた物ではないですからね。
それを防ぐ為には、さらに新たなファンを増やす事。
ノアに新たな時代を作り出す事
それには、ノアにとって新しい”血”である自らがベルトを巻く事が、最重要要素であると ジェイクは感じているのでしょう。
「ベルトを持って、今までノアを見に来なかった人たちに、バンバン宣伝していく。このベルトを懸けたら色んな選手が血眼になって挑戦しに来る筈…」と不敵に笑いますが、確かにジェイクが新たな時代を作り出す事で、今までノアを見に来なかった人が来てくれるようになったら、ノアとしても万々歳。
だからと言って、その役目を譲る事をむざむざと清宮が許す筈も無いでしょう。
しかしジェイクは、このノアを選んだ事を無駄にしない為にも、何が何でもGHCを奪いに来る筈。 清宮にとって厳しい闘いになる事だけは間違いないでしょう。
新日本のトップに敗れ、今度は全日本の元トップに負ける訳にはいきません。
清宮にとっても、ジェイクにとっても正念場ともいえるこの一戦は、ノアにとっても今後の流れが決まる極めて重要な一戦となりそうです。