人間である以上は「死」は免れない事です。
しかし プロレスラーがリング上での事故で、帰らぬ人となってしまうのは、病気などと違って周囲も本人も心の準備が出来ていない状態なので、ショックの度合いも違うと思います。
そう2009年6月13日は、多くのプロレスファンにとって忘れられない日
三沢光晴が、リング上の事故で逝去した日です。
三沢は、全日本時代から誰よりも激しい受け身を誰よりも数多く取ってきました。
それ故に体に蓄積されたダメージは、計り知れないでしょう。
NOAHを設立してからは、どうしても自分の知名度無しでは、集客に苦戦する為に欠場する訳にもいかず自身の体を休める間もなくリングに立ち続けました。
不運なのは、小橋建太もガンが発見されて 長期欠場になってしまい 三沢に負担が大きくかかった事です。
この間も三沢は、常に首を満足に動かせない為に、トレーニングも満足に出来ない状況。
しかし試合を続けているので、ダメージは蓄積されていく一方と言う最悪のスパイラルに陥ってしまいました。
そんな中での運命の6月13日
後継者の潮崎豪を育てるてべくタッグを組んで齋藤彰俊&バイソンスミスのGHCタッグに挑戦した試合です。
試合終盤 彰俊の放ったバックドロップを受けた直後に三沢は、動かなくなってしまいます。
そのまま試合は終了となりますが、三沢は身体を全く動かす事が出来ない状況で、みるみる身体から血の気も引いていきます。
誰の目にも分かる明らかな緊急事態。
リング上には、セコンド達も含めて大勢の人間がリングに上がり場内から三沢コールも響きますが、三沢が回復する事なく 緊急搬送されてしまいました。
この時 会場に来ていたお客さん達は、どんな気持ちで帰路についたんでしょうか？
搬送された三沢は、懸命な処置も空しくそのまま帰らぬ人となってしまいました・・・
プロレス史上に残る大事故だと思います。
三沢程の偉大なプロレスラーが、リング上の事故で亡くなってしまうのは、世間に与える影響もプロレス界の衝撃も大きすぎました。
NOAHと選手達を残して旅立ってしまった三沢は、さぞ無念だったと思います。
こんな事故は二度と起こって欲しくは無いし
起こしては、いけません。
この死を無駄にしない為にも業界が一丸となって改編期に入る時期だったのに、統一教会も計画だけで、挫折してしまったのは残念な限り。
そして亡くなった本人や遺族の方は当然の事ですが、バックドロップを打った彰俊も本当に気の毒でした。
これは色々な状況が重なっただけで、彰俊が悪い訳ではありません。
あくまで試合中の事故です。
映像で確認する事は出来ませんが、写真を見るだけでは無茶なバックドロップを仕掛けた様には見えなかったので、単純にこれまで蓄積されたダメージが、このタイミングで、爆発しただけだったのだと思います。
一度は死ぬ事すら考えたと言う彰俊ですが、彼が十字架を背負う必要はありません。
たまたま 最後の対戦相手だっただけの話ですから。
しかし彰俊は、批判も全て受け止めて 自ら十字架を背負い現役選手として生きていくと宣言しました。
並々ならぬ覚悟だと思います。
こうなってしまった以上は、彰俊がリングを降りる日まで応援します。
そして事故とは言え 志半ばで散った三沢の意思は、現在のNOAHの選手達に、しっかり受け継がれています。
同世代を生きた 小橋も田上も引退しましたが、丸藤を初めとする若い選手達の頑張りで、時間こそ掛かった物の今のNOAHは、かつての勢いを徐々に取り戻してきていると思います。
全日本を離脱した三沢の目指したNOAHは、自由なプロレス。
今、若い選手達はのびのびとプロレスをやっていて 自分なりの表現をリング上で、形にして三沢の目指したプロレスを実現していると思います
あの頃のNOAHとは、すっかり変わってしまいましたが、今のNOAHを見たら三沢さんは、きっと喜んでくれるんじゃないでしようか？