スティーブウィリアムスの殺人バックドロップ

プロレスラーは、殆どの選手が一度位は、バックドロップを使った事があると思います。

と言う事は、見ているファンからしても相当な数のバックドロップを目にした事があるのですが、今まで見たバックドロップの中で、一番ヤバイと思ったのは、スティーブ・ウィリアムスです。

 

これには共感する人も多いと思います。

 

全日本プロレスを主戦場にしてからのウィリアムスは、しばらくの間ターンバックルにぶつけてからのオクラホマスタンピートを必殺技としていましたが、1993年に行われた小橋建太との三冠ヘビー級時期挑戦者決定戦でのフィニッシュシーンは、戦慄を覚えました。

 

小橋の体が垂直に落ちていく殺人バックドロップ

 

これは衝撃でした。

 

何ちゅう角度で、バックドロップするんだよ!?

受け身もクソもない脳天から 真っ逆さまのバックドロップなんて見た事ありません。

アナウンサーが、バックドロップドライバー!と叫んだのも納得の角度。

 

しかし小橋もベルトへの執念か、ロープを掴んで必死に立ち上がろうとするもウィリアムスは、追い討ちのバックドロップ!

またもや とんでもない角度で突き刺さる小橋。

 

まだ攻め手を緩めないウィリアムスは、三発目のバックドロップで、今度はガッチリホールドして完璧な3カウントを奪ったのです。

 

凄まじい試合でした。

と言うより凄まじいフィニッシュでした。

 

当時の小橋は、まだ発展途上中とは言え挑戦者決定戦なんか必要の無いレベルの選手だったので、この決定戦は疑問には感じていましたが、決定戦の必要の無いレベルの小橋だからこそ ウィリアムスもあそこまで容赦なく攻めたと言う見方も出来ます。

バックドロップと言う技は、本当に個性がでる技で、ジャンボ鶴田や長州力、後藤達俊と言った名手達のは美しかったり 独特な捻りを加えていたりで、芸術品と呼ぶに相応しいバックドロップでしたが、ウィリアムスのは恐ろしいと言うか、悪く言えば雑なバックドロップです。

 

それがウィリアムスの個性なんでしょうが、こんなのをしょっちゅう受ける選手達は、たまった物ではありません。

この辺りからウィリアムスは、一番のフィニッシュとして殺人バックドロップを使用する事になり犠牲者が続出してしまいます。

 

とは言えウィリアムスとて 受け身の得意でない選手や格下の選手には、角度をある程度は調節していて常に”殺人”と言う程のバックドロップではありません。

その分 三沢や小橋や川田あたりは、毎回の様に、殺意のこもりまくったバックドロップを受けまくってましたけどね。

 

出来る事なら総合のリングで、アレクセイ·イグナショフに、バックドロップを決めて欲しかったです。