これまで雪崩式の技は、数多く開発されてきました。
その中には、スープレックスも多く 昨今のプロレス界では、雪崩式のスープレックス自体は決して珍しい技では、なくなっています。
その中にあって原田大輔が、史上初となる雪崩式のスープレックスを繰り出しました。
2019年11月のIPW選手権
王者・小峠篤司 vs 原田大輔
言わずと知れたかつての相棒同士
桃の青春タッグ対決となる訳ですが
時には隣に立ち
時には対角線に立ち
常に切磋琢磨してきた関係。
お互いに手の内を知り尽くしている両者だけあって好勝負となります。
原田が勝負をかけた片山ジャーマンが、美しい弧を描いて炸裂しますが、小峠はこれをカウント2でハネ返す。
手詰まりかと思った矢先 原田は小峠をコーナー最上段に乗せると そこから一気に雪崩式片山ジャーマン!
いや・・・
クラッチを解かずに叩きつけ そのまま固めたので、雪崩式片山ジャーマンスープレックス”ホールド”です。
衝撃でした。
通常の雪崩式のスープレックスは、落下の際にクラッチを外し投げ捨てるのですが、何と原田はクラッチしたまま叩きつけて そこから間を置かずに、ブリッジでホールドすると言う驚きの技を見せました。
さすがに普通のスープレックスの様に、ブリッジしながら首で支えて叩きつけるのは、自分の首が折れてしまうから不可能ですが、同体でマットに落下したあと改めてブリッジで固めると言う方式でした。
しかし それでもインパクトは充分。
ただ怖いのは、一歩間違うと自分の顔面に、相手の背中が全体重をかけてのし掛かってくる危険性もあるので、多用は出来ないと思います。
そんな事は、原田も承知の上でしょうが、いくら相手が計量の選手でも コーナー最上段からの落差と勢いがプラスされた状態で、90キロ前後の人間とマットに顔面をサンドされたのでは、事故に繋がりかねません。
そう考えると かなりリスクの高い技ではあるんですが、恐らく原田としては小峠との王座戦は、何よりも特別な一戦の筈
だからこそ敢えて リスクを省みず
この技を繰り出してきたのでしょうね。
掛ける方も受ける方も 危険を伴う技ですが
小峠を信頼して 技を仕掛けた原田
原田を信頼して 技を受けた小峠
双方の信頼関係が、成立していたからこそ繰り出された技だと思います。