来年1・1のノアの日本武道館大会で行われる注目の一戦で、世界的にも大きな話題となった グレート・ムタvs中邑真輔の一戦ですが、プロレスファンとしては、何とも楽しみなドリームカードの実現に、さぞ興奮している事だと思います。
こんなドリームカードの実現は、ファンとしては嬉しい限りなのですが、余りにも話題になり過ぎて 他団体からすれば話題を全て持っていかれた形になるので、全てが良い事ばかりではないかも知れません。
その煽りを最も受けたのが、新日本プロレスの1・4東京ドーム大会でしょうか。
年会最大のビックイベントであるにも関わらず 日程も開催地も ほぼ被っている上に、話題性でも圧倒的に負けているとなれば、新日本的には死活問題にもなり兼ねません。
もちろん団体はどこであれ、プロレスが盛り上がるのは、業界としては喜ばしい事ですが、年間最大のビックイベントの集客に影響するかも知れないと考えると、新日本的にはそうともばかり言ってられないでしょうね。
こうなってくると新日本も何か隠し球的なカードをドームに持ってくる必要がありますが、正直ムタvs中邑のインパクトに勝るカードなど、そうそう無いでしょう。
プロレス界には昔から良くある 興行戦争と言ってしまえばそれまでですが、今回はノアのインパクトが強すぎて 現時点では目新しいカードのない新日本にとっては、いささか不利な状況と言えます。
しかし こんな状況だからこそ奮い立ったのが、メインイベントでIWGP世界ヘビー級王座に挑戦する事が確定のオカダ・カズチカです。
オカダはムタvs中邑に対して
「久しぶりに『うわっ』てカードじゃないですか。見てえなっていう。本当に禁断の対決。もちろん負けられないぞって(気持ちは)ありますけど、それを出されたら何もできないよって。そのくらいすごいカード」
と一ファンとしても観てみたいカードである事を認めつつも
「気持ちが上がりますよ。1月1日じゃないですか。僕達も4日を控えてますので。負けないですよ。自分達が一番面白い試合をしないとっていうのはあるので。全然僕達の方が上だと思いますし、凄い試合、面白い試合をして勝つという自信もあります。そういう意味でも戦いになれば面白いんじゃないかなと」
と話題性で負けるなら、試合内容で勝負して その上でノアの武道館に勝つという覚悟を語って見せました。
決してドーム向けの派手なカードでは無いかもしれませんが、だからこそ試合内容で勝負しようというオカダの決意表明です。
話題性で負けるなら、試合内容で勝負する以外に無いので、オカダの決意は当然とも言えますが、かつては話題性の新日本と内容の全日本(ノア)と言われていた事もあっただけに、今回はそれが逆転したのも面白いですね。
まぁ今回はノアの話題性ばかりが注目されていますが、その他のカードの充実や試合内容の充実・・・そこはノアとて疎かにしている訳では無いので、新日本が内容で圧倒するというのも簡単な話では無いでしょう。
しかし この切磋琢磨こそが、プロレスを今よりももっと面白くしてくれる最高の発奮材料なので、新日本もノアも両団体を応援します。
ノアには、話題性に負けないだけの熱い試合で、武道館を爆発させて欲しい。
新日本には、話題性など必要ない程の熱い試合でドームを揺るがして欲しい。
日本武道館と東京ドームの二大メジャー団体の興行戦争は、プロレス界を必ず良い方向に導いてくれると信じています。
その中でもオカダのチラリと覗かせた業界の名手と その現エースのプライドは、非常に頼もしくも有りました。