全日本プロレスのジュニアヘビー級戦線に新たな風が吹きました。
9・18 日本武道館で行われた全日本プロレス50周年記念大会で、新日本プロレスのタイガーマスクの手に渡っていた世界ジュニアヘビー級王座に、青柳亮生が最後の砦として挑んだタイトルマッチでは、最後の最後に全日本ジュニアに明るい未来が開ける結末が待っていました。
ですが亮生にとっては、苦しい闘いでした。
タイガーマスクは、正直今の新日本ジュニアの中では、トップとは言い難い位置にいますが、それはあくまで新日本の若手を主体とする方針であって、タイガー自身のパフォーマンスが極端に低下している訳ではありません。
チャンスさえあれば、いつでもトップ戦線に返り咲けるだけの力がまだまだある事を今回の世界ジュニア戴冠で証明した形で、亮生にとっては遥かに格上の相手。
スピードに、パワーや体力では、若い亮生が上回るかもしれませんが、タイガーには研ぎ澄まされたテクニックと若手にはどうやっても太刀打ちする事の出来ない 絶対的な経験値が有ります。
そのベテランならではの技と経験を武器に、タイガーは徹底した右ヒザ攻めから雪崩式ダブルアームスープレックス、タイガードライバー等の大技攻勢
亮生は、窮地に陥いりますが、必殺のタイガースープレックスだけは徹底してディフェンスした事が、勝負の分かれ目だったのでしょう。
ロコモーション式フィッシャーマンスープレックスで、タイガーを何度も叩きつけると、ムーンサルトプレスを投下。 蹴り技のラッシュから、最後はファイヤーバードスプラッシュで、見事な逆転勝利。
業界の大先輩であり、偉大な実績を持つタイガーマスクを乗り越え、第63代王者に輝きました。
22歳の若き王者の誕生です。
この勝利は、全日本にとっても大きな勝利。 外敵王者から世界ジュニアを全日本に取り戻したという事もそうですが、若干22歳の亮生が取り戻した事に大きな意味があります。
タイガーマスクは外敵とは言え、世代的には30近くも上の旧世代の選手なので、この両者の試合には団体こそ違えど世代闘争的な意味合いも含まれていました。
タイガーからベルトを奪った亮生
全日本ジュニアの未来である亮生が、タイガーからバトンをしっかりと受け継いだ瞬間でもあります。
初戴冠を果たした青柳は「世界ジュニアのベルト、何とか取り戻す事ができました。新日本プロレスのタイガーマスク、やっぱり強かったです。最強の王者から取ったからには、何回でも防衛して青柳亮生が全日本プロレスジュニアだった事を証明してきます」と強いタイガーを乗り越えた事で、これからは自らが、全日ジュニアの中心に立つ事を新たに誓った。
一方の敗れたタイガーも亮生の力を認め 全日本ジュニアの力も認め、高橋ヒロムの提唱するオールスターへの全日本ジュニアの参加は勿論、この世代が引っ張っていってく事を期待するコメントを残しています。
今回の王座流出は、単純にストーリーが盛り上がったというだけではなく、全日本ジュニアの未来への分岐点となる極めて重要な一戦だったと思います。
この王座奪取を機に、亮生は間違いなく全日本ジュニアの顔へ駆け上がっていくでしょう。
それを考えるとタイガーマスクは、全日本プロレスに多大なる貢献をしたとも言えますが、これを活かすも殺すも亮生次第
かつて渕正信、小川良成、カズ・ハヤシ、近藤修司らが繋いできた全日ジュニアの歴史を今度は、青柳亮生が繋いでいく事になります。
やはりプロレスに限らず、若い選手の台頭は良い物ですね。
亮生の様な若い選手が、活躍すれば団体も活気づくだろうし、全日本ジュニアは、これから必ず面白くなっていくでしょう。
タイガーマスクも認めた青柳亮生が、引っ張っていく全日本ジュニアは、これからどんな新しい歴史を作っていくのでしょうか?