8.20 全日本プロレス後楽園ホールで開催された真夏の祭典「王道トーナメント」の優勝決定戦は、宮原健斗がジェイク・リーを下して 2018年以来となる2度目の優勝を果たしていました。
宮原が準決勝で対峙したのは、新日本プロレスから参戦の永田裕志。
同世代の小島聡やタイガーマスクが、それぞれ活躍している中で、永田もそれに続けとばかりに、ヨシタツや芦野祥太郎を倒して勝ちあがって来ましたが、全日本を支える存在として 宮原はそれを見事に阻止してみせました。
個人的には、第三世代の永田に期待していましたが、全日本を守ろうとする宮原が永田の快進撃をストップしたのは、現行世代の宮原の意地以外の何物でもないでしょう。
同じく準決勝を勝ちあがったジェイクが、対峙したのは永田と同世代の大森隆男。
大森とて歴戦の猛者ですが、ジェイクも現行世代の意地として 旧世代の大森には絶対に負けられないとばかりに、どうにか勝ち進み 全日本プロレスの現在進行形とも言える世代同士での頂上決戦を実現させています。
かくして行なわれた王道トーナメント決勝戦は
宮原健斗vsジェイク・リー
これまで幾度となく激闘を繰り広げて来た両者の試合は、激しく高度な物となりました。
試合終盤に、ジェイクのハイキックからのヒザ蹴り、D4Cと必殺フルコースを食らい、宮原は絶体絶命のピンチに陥りますが、ここをどうにか凌ぐと最後はブラックアウト連発からの シャットダウンスープレックスホールドで、見事な大逆転勝利を収めています。
4年ぶり2度目の優勝という エースの名に恥じぬ素晴らしい実績です。
新日本50周年イヤーのG1では、オカダ・カズチカが優勝している様に、全日本50周年イヤーの王道トーナメントを優勝したのは宮原だった事に、やはりエースとしての責任感を強く感じます。
優勝を掴み取った宮原は、大の字になったまま
「俺とお前はどうやら運命らしいな。まだまだ宮原健斗、ジェイク・リーでこの全日本プロレスを盛り上げるぞ、オイ!」
とジェイクに対して贈ったこの言葉の意味は、これからも共に同世代として切磋琢磨しながら全日本を押し上げようと言う事。
この同年代の2人の闘いこそ過去で言えば
ジャンボ鶴田vs天龍源一郎
三沢光晴vs小橋建太
武藤敬司vs川田利明
これらの黄金カードに匹敵する ブランドカードに成長する可能性も秘めています。
全日本の節目である この50周年イヤーの王道トーナメント決勝戦が示した物は、正しく全日本の現在とそして未来だったと思います。
優勝した宮原は、三冠ヘビー級王者・諏訪魔への挑戦も正式決定。
しつこくブードゥー・マーダーズへの勧誘を受けている宮原ですが、現在の全日本のエースを自認する宮原にとっては、世代闘争の形でもある諏訪魔戦は絶対負けられない一戦。
「過去も現在も未来も俺が全て背負う覚悟だ。」
諏訪魔戦を控えた宮原が語った この言葉は宮原の覚悟その物。
全日本を背負う宮原は、これまでの歴代のエース達がそうだったように、身体中がボロボロになるかも知れません。
しかし それすらも覚悟の上で、全てを背負って行く覚悟が、宮原にはあると思います。
新世代の成長ぶりも頼もしく 現エースの宮原とそのライバルであるジェイクらが率いる 全日本プロレスの未来は、非常に明るいんじゃないでしょうか?
いや 明るいでしょう。