近年のプロレス技の進化は、目まぐるしいですが、その進化のさせ方も開発者の発想ひとつで、思いがけない方向に進化を果たす場合も中にはあります。
かつて武藤敬司が髙田延彦の足を破壊したドラゴンスクリューが、瞬く間にプロレス界に大流行してからと言う物は、ドラゴンスクリューも変わった技の入り方や、決める部位など・・・様々な形で応用技も編み出されました。
そんな数あるドラゴンスクリューの中でも変わり種なのが、丸藤正道のドラスクホールドでしょう。
ドラスクホールドの「ドラスク」とはドラゴンスクリューを略する時の「ドラスク」
略称がそのまま正式名称になってしまうと言う、要するにスーパーファミコンみたいな物です(笑)
技の概要は、ドラゴンスクリューを決めてから相手の足を離さずに、すぐさまジャックナイフ固めに移行してフォールを奪うと言う物。
丸藤の完全なオリジナルで、2012年に成長著しい中嶋勝彦との一戦で初公開。
まだまだ格下だと思われていた中嶋に、思わぬ粘りを見せられ苦戦した丸藤でしたが、このまさかの連続攻撃でどうにか勝利しています。
敗れた中嶋としても よもやドラゴンスクリューから丸め込みに来るとは、予想していなかったでしょうね。
と言うか、これを予想できる人は居ないでしょう。 相手の虚をつくと言う意味では、効果抜群の技だと思います。
それにしても丸藤の閃きには、驚かされます。
2010年前後は、他の技から押さえ込む一連の流れを一つの技として 設定するのがプチ流行していた時代でもありました。
例を挙げるなら
ハイフライフロール
スリングブレイドル
スピアーオブジャスティス
こういった技は、ドラスクホールドよりも先に開発されてはいましたが、ドラゴンスクリューからのジャックナイフと言うのは、余りにも突拍子が無さ過ぎて有る意味、意外性と言う面では突出しています。
強烈なダメージを与えておいて間髪入れずに押さえ込む技ならば、理に敵っているとも言えますが、足攻めの代表格とも言える技 ドラゴンスクリューで投げてから、敢えて足を無視して 相手を丸め込むなんて 普通はなかなか思いつきませんからね。
天才的な閃きとJr.ヘビー級仕込みのテクニックを持つ 丸藤ならではのオリジナル技なんですが、現在では殆ど使用されていない。
本当に試合中の閃きで、咄嗟に出した技なのかどうかは分かりませんが、少々もったいないですね。
現在のノアトップクラスは、中嶋を初めとして拳王や船木誠勝など 蹴りを得意とする選手が多いので、今こそドラスクホールドが活きる時だと思うのですが・・・