田口隆祐は現在は、あんなキャラをやっているので最近プロレスファンになった人は、お尻の人と言うイメージが強いかも知れません。
でも本当の田口は、ああ見えて結構テクニシャンで、実は多彩な技を使いこなす器用な選手なんです。
現在の田口は、代名詞のどどんと供にオーマイ&ガーアンクルを必殺技としていますが、今のキャラになる前の田口は他にも様々な必殺技を持っていたのです。
まぁ その殆どが思いだした時のみ使用する様な、隠し技的な物が多かったですが、その中でも鹿殺しと言う技が、個人的には好きな技でした。
中腰の相手の正面に立ち、背中合わせの状態から自分の両腕を相手の両腕に掛ける。
その体勢のまま相手もろとも自らも反転して身体を起こすと、背中越しに相手は宙吊り状態になっているので、更に両足首を掴んで固定してから、ジャンプしてシットダウン式で相手をマットに叩きつける技。
要するに、リバース・ゴリー・スペシャル・ボムとほぼ同形ですが、滅多に見せる事の無い田口の奥の手とも言える技。
2005年の凱旋帰国直後から、その存在だけは明らかにしていたが、チャンスがなかったのか…約半年 何故か使われる事も無いまま、2006年のサングレ・アステカ戦で、ようやく初公開された。
何故 ずっと温めて来た技を大一番の試合ではなく この試合で出したのかは定かではありませんが、その後は、再び余り使う事はなくなり 隠し技として、時折出す程度に留められています。
両腕、両足を固められている為に受身が取れないので、破壊力は有りそうだが、宙吊りにされてから落とされるので、意外と落差はそこまで無いんですよね。
そして技に入るまで、結構な時間を要するのが欠点か。
2009年のYAMATO戦が、良い例だったと思いますが、技の体勢に入ってから回転して持ち上げるまでを スムーズに入れれば見栄えもかなり良いのですが、組み立てるのが結構難しいみたいです。
持ち上げる体勢が、どうしても不安定な為に、そこで少々もたついてしまう時があり、そうなると例え フィニッシュになったとしても、どうしても全体の印象が、悪くなってしまうのが最大の難点。
フィニッシュは、やはり大事ですからね。
田口が余り鹿殺しを使用しないのは、やはり技の仕掛ける難易度の問題でしょう。
技の入り易ささえ改善されれば、もっと鹿殺しを使ってくれると思うのですが、比較的簡単に技に入れるどどんや、オーマイ&ガーアンクルを好んで使用するのは、まぁ省エネだし 使いやすいからだと思います。
田口が今のキャラになってから、鹿殺しを使ってるのを見た記憶はありませんが(忘れてるだけかも知れないけど) 今のオチャラけた田口には、少し似合わない真面目な技では、ありますかね。
案外それが封印の一番の理由だったりするかも知れません。