邪道のクロスフェイス・オブ・JADO

タッグの名手である邪道は、これまでツープラトン以外で勝利する際には、垂直落下式ブレーンバスターやライガーボムを必殺技として来ましたが、最も長年必殺技として愛用している技はクロスフェイス・オブ・JADOになります。

 

永田裕志のナガタロックⅡやクリス・ベノイのクリップラーフェイスロックとほぼ同形で、絞めあげ方に微妙な違いはありますが、この技の元祖のナガタロックⅡとの違いを聞かれた際に「一緒だよ バカヤロー」と本人が応えているので、全く同じ技なんでしょう。

本人がそう言ってるんだから間違いないです(笑)

邪道が尊敬する”あの人”は「指の角度が・・・」とか言ってたのに、その部分はエライ違いです。

 

邪道の最大の得意技で、ここ20数年は勝ち試合のほとんどを この技できめる事が多く、打撃技を上手くいなして素早く極める事も有り、テクニシャン邪道の本領発揮とも言うべき技。

2000年代の邪道の動きにはキレがあったので、流れの中で巧みに体勢を入れ替えて決めるクロスフェイス・オブ・JADOは芸術的ですらありました。

 

元々の破壊力も然る事ながら、使いどころが抜群だったので、フィニッシュ率も高く2000年の新日本プロレス本格参戦時に、獣神サンダー・ライガー&エル・サムライの重鎮タッグから IWGPJr.タッグ王座を一発奪取した時のフィニッシュもクロスフェイス・オブ・JADO

既に全盛期を過ぎていた2015年に、原田大輔&小峠篤司からGHCJr.タッグ王座を獲った時もクロスフェイス・オブ・JADO

 

邪道が実績を積みあげた時には、いつもこの技がありました、

 

同系の技の使い手は数多いですが、邪道のそれは その中でも群を抜いていた様に思います。

 

ライガーや金本浩二といった新日本の当時のTOP2からもギブアップを奪った事で、その効果は証明済みな訳ですが、それを更に立証するアクシデントが発生してしまいます。

2003年に組まれた邪道vs金本浩二の一戦

試合終盤に何と金本が、掟破りのクロスフェイス・オブ・JADO を邪道に極めるのですが・・・まぁ相手への挑発として 相手の得意技を繰り出すのは、プロレスの試合では良く有る事。


しかし この時技を掛けている金本が「バキバキッと言う音がした」と語るほどに完璧な技の極まり具合だったのです。

邪道はたまら ずギブアップ!

自らの技でギブアップ負けをしてしまう屈辱の敗戦となってしまった邪道ですが、それもその筈。

「頬骨骨折」と言う重症を負い欠場を余儀なくされてしまったのです。

 

当たり前の様に使っている この技も実はこんなにも恐ろしい技だと言う事が分かったのですが、皮肉にも邪道が自らの犠牲者となる事で、それを証明してしまいました。

「自分の技は逃げ方も自分が一番良く分かっている」とは、プロレスの世界でも昔から良く言われていた事ですが、そんな事は無かったようです(笑)。

 

カッコ良いし 比較的簡単な技なので、プロレスごっこで使われそうな技ですけど、くれぐれも本気で絞めるのは止めましょう。 顔面折れます(怖)

 

ちなみに金本は、この時に余りにも手応えがあった為か、この技を気に入った様でタイガーマスクとのシングルでも  クロスフェイス・オブ・JADO で勝利していますが、すぐに使わなくなりました。

まぁ 人の技のパクリな上に、怪我までさせちゃってる技ですからね。