近年の藤波辰爾の必殺技のイメージと言えば、大半がドラゴンスリーパーで、それじゃない場合は足4の字固め。
もしくは、グランドコブラツイストや逆さ押さえ込み、首固め等の丸め込み技が挙げられると思います。
椎間板ヘルニアを患った事により、ドラゴンスープレックスを封印せざるを得ない状況になってからの藤波は、腰に負担のかかる技がどうしても制限される為に、相手を叩きのめしてフォールを奪う様な力強い技は、ほぼほぼ使わなくなってしまいます。
過去には、ジャーマンスープレックス、バックドロップ、パワーボム等で勝負を決めた事も有りますが、それはあくまで例外的な事であり、フィニッシュにした事は数える程しかありません。
そんな藤波も2005年には、新日本を退団してドラディションを立ち上げた事で、試合数は激減して 以前の様な激しい試合をする事も少なくなり、こんな言い方をするのも何ですが、残りのプロレス人生は守りに入る物だと思っていました。
しかし2021年に、HEAT UPに参戦中の藤波は、HEAT UPユニバーサル王座&PWL WORLD王座を奪取し 何と67歳の2冠王者となりました。
守りに入るどころか、まだまだ藤波は攻める気マンマンです。
この歳でタイトル挑戦する事も、二冠王者になる事も 並みの選手ではなかなか出来ない事で、受けの達人でもある藤波はプロレスに対しては、どこまでも貪欲でした。
あのキャリアで見せた攻めの姿勢は素晴らしいレスラーだと言う事を再認識した瞬間であり、その攻めの姿勢を象徴するような技も産まれました。
団体の至宝奪還と藤波越えに燃えるTAMURAを初防衛戦に迎えるのですが、やはり若さに任せてガンガン来る相手には、流石の藤波も勢いでは勝てません。
そんな不利な状況で、TAMURAを振り切ったのは、まさかの新技
フルネルソンに固めてから 相手を持ち上げ自らの体を捻りながら、サイドに相手を叩きつける変形のフルネルソンバスターとも言うべき技を公開して 王座防衛に成功したのです。
これには驚きました。
まさか67歳にして、こんな新技を用意して来るとは思わなかったし、今までの藤波からは想像も出来ないタイプの新技。
こんな豪快な種類の技を使う藤波は、近年では余りお目にかれませんでしたからね。
ドラゴンスクリュー等の派生技ではなく、全く新たな飛竜殺法が誕生すると言うのは、何年振りの事でしょうか?
結局 二冠王座は、若手の成長の為に返上と言う決断をしましたが、新たな技を手に入れた炎の飛竜はプロレス界で、まだまだ燃え盛ります。