ムタのダイビングブレーンチョップ

武藤敬司はまず使わないけど、グレート·ムタが使う技、もしくは使っていた技となると誰もが一番にイメージするのは毒霧でしょう。

しかしダイビングブレーンチョップ

これも なかなか捨てがたいです。

 

立っている相手に対して、コーナーポストから脳天めがけて手刀を振り下ろす単純な技。

単純な技ではありますが、単純な技だからこそ怪奇派のムタには良く似合っていました。

しかし ピョンとトップロープに飛び乗って腕を大きく振り上げる姿は、物凄いカッコ良く見えたし あんな単純な技をダイナミックかつ華やかに魅せれるのは、ムタならではでしょう。

某·野人の上からドンとは大違いです(笑)

 

ムタは日本初登場から ずっとこの技を使用していましたが、武藤同様にムタにもムーンサルトプレスと言う唯一無二の絶対的な必殺技があるので、ダイビングブレーンチョップは完全な繋ぎ技。

1996年の白使戦で、パワーボム返しの毒霧→ダイビングブレーンチョップ→ムーンサルトプレスがラストの流れでしたが、ブレーンチョップがフィニッシュ前に使われると言う一番良い扱いを受けた時でした。

この流れは、構成とスピード感ともに、実に見事でしたけどね。

 

そこまで余り大技扱いされてこなかったダイビングブレーンチョップも一躍大出世する時がやってきます。

1997年のNWO JAPANに、ムタが電撃加入を果たした際の初陣です。

 

世間を巻き込む程の一代ムーブメントだったヒールユニットNWOに加入した事で、否が応でもこれまで以上に注目を浴びる事にはなる訳で、ムタとしても何か変化を求めたのでしょうか。

大事な初戦でムタがフィニッシュに選んだのは、どうしても華麗さに目がいってしまうムーンサルトプレスではなく、相手に手刀を叩きつけるだけのダイビングブレーンチョップでした。

ヒール集団に属すると言う事で、華麗さよりも荒々しさを全面に出したんでしょうか?

もしかしたら、ムタらしさを全面に出してきたのかも知れません。

 

仲間のフォローがあったとは言え、タフな小島聡からフォールを奪ったのだから破壊力は何気に有る技です。

考えてみたら強靭な肉体を持つレスラーでも、鍛えようが無い脳天を狙うだけに、見た目以上に危険な技でもあるんですよね。

 

その後 数試合に渡ってダイビングブレーンチョップをフィニッシュにしていたので、ムタの新必殺技になるのかと思ったのですが、何故かシリーズ中盤からはフェイスクラッシャーをメインにしてしまいました。

結局フェイスクラッシャーも翌シリーズからは、繋ぎ技に戻ってしまったんですが、ダイビングブレーンチョップでフォールを奪いまくる姿は、NWOムタの顔見せとしては、なかなかのインパクトでした。

 

必殺技としてのダイビングブレーンチョップは、わずか数試合だけと言う短命に終わってしまいましたけどね。