スコット・ノートンに代表される様な怪力レスラーが、プロレス技を使えばどんな技でも、必殺技になってしまいそうな恐ろしさはありますが、怪力レスラーにも最も自信を持って必殺技としている技は、当然あります。
そんな”必殺技”を受けるレスラー達は、相当に恐怖でしょうね。
その技の種類にも寄りますが、怪力で絞められたら苦しいに決まってるし、常人離れしたパワーで、マットに叩きつけられたら 幾ら受け身を取っても痛い物は痛いですから。
スコット・ノートンの必殺技は、アームレスリング全米チャンピオンの怪力を存分に活かした超竜ボムと呼ばれる 投げっ放し式のサンダーファイヤーパワーボムです。
この技はとにかく凄い
何せ ノートンのあのパワーですから、どんな相手でも軽々と抱えあげられるし バウンドする位に激しくマットに叩きつけられるし、衝撃音が会場に響き渡るし、観ているだけで、その破壊力は伝わってきます。
実際に鍛え上げられたレスラーでさえ これが決まれば一撃でマットに沈むのだから対戦相手も最大級の警戒をしながら 試合に挑む事になるんですが、そんな対戦相手の戦略や作戦も ネジ伏せるだけの圧倒的なパワーをノートンは持っているので、体勢に入られたらディフェンスも困難だったようです。
135Kgの橋本真也にすら、いとも簡単に超竜ボムを仕掛けてしまうのですから 抵抗してディフェンスするのは、至難の技でしょう。
喰らってしまえば最後で、超竜ボムと命名され 必殺技となってからは大概の相手は一撃で失神に追い込み、これをカウント2で返したのは、佐々木健介くらいしか記憶にありません。
それでも さすがに2連発を食えば一巻の終わりでしたが・・・
超竜ボムを使いだした時期ですが、1990年の初来日時には、まだ超竜ボムを使用しておらず、必殺技と言えばパワースラムでした。
パワースラムでも当時は一撃必殺だったんですが、超竜ボムを使いだしたのは、1995年頃からでしょうか。
ただ この頃はネーミングもされておらず、カウント2で返される事も多く 見た目の豪快さとは裏腹に、あくまで繋ぎ技扱いでした。
しかし1997年のNWO加入を境に、超竜ボムと命名され、パワースラムに変わる絶対的な必殺技となっていきます。
それまでは、この技で3カウントを取る事は殆ど無かったのだが、改名してからは勝率がハネ上がり、これが決まれば問答無用で、ノートンの勝ちと言う位の恐怖の技でした。
当時のIWGP王者・橋本真也からシングル・タックと合わせて 短期間で2度に渡り超竜ボム一発で、フォールを奪った事がノートンの必殺技として認知させたのは間違い無いでしょう。
迫力と言う点では、パワースラムよりも断然 超竜ボムの方が上回っているので、NWOの一員として暴れまわる時期に必殺技を超竜ボムにチェンジしたのは大成功でしたね。
そんなノートンも 2006年に外国人エースとしての役目を終えて、来日が途絶えてしまいますが、2017年の東京ドームの第0試合で行われた ニュージャパンランボーにノートンがサプライズ出場した時の興奮は忘れられません。
しかも11年振りに、超竜ボムを披露してくれたのだから感動モノでした。
まぁ それを受けて失神してしまった田口隆祐は、お気の毒でしたけど。