67歳の2冠王誕生!藤波辰爾が新王者に!!

9月17日 HEAT UPの川崎市とどろきアリーナ大会で、HEAT UPユニバーサル王座&PWL WORLD王座の2冠選手権が行われ、何と67歳の二冠王者が誕生しました。

 

2冠王者のTAMURAの逆指名により 67歳の藤波辰爾が挑戦となったのですが、まず藤波の挑戦自体が驚きでした。

以前からTAMURAとは、供にタック王座を獲ったりと接点はありましたが、とっくの昔に第一線から退いている藤波が、今更 王座に挑戦するとは思っていなかったので、一旦保留にしていたとは言え 本当にタイトルマッチが組まれてしまった事が、なかなかのサプライズだったと思います。

 

日米で殿堂入りを果たした レジェンド中のレジェンド藤波辰爾を挑戦者に指名したと言う事は、TAMURAとしても相当勇気のいる行動だったでしょう。

実績や格では、どう足掻いても藤波の方が圧倒的に格上。

しかし藤波は、既に引退していてもおかしくない67歳と言う年齢で、いくら相手があの藤波とは言え、現役バリバリの王者で団体の象徴である自身が仮に67歳の選手に負けてしまえば、自らの格や団体にまで傷が付きかねません。

「プロレスは年齢じゃない」とは良く言いますが、現実問題として そうでもないでしょう。

 

この試合に関しては、藤波をリスペクトして逆指名したTAMURAも、TAMURAの意志を汲んで挑戦を受託した藤波も素晴らしいと思います。

 

かくして行なわれたタイトルマッチは、TAMURAの厳しい攻めに苦しみながらも、ドラゴンバックブリーカーやドラゴンスクリュー等のドラゴン殺法を駆使した藤波が、最後はコブラツイストで締め上げ、二つの王座を奪取。

まさかの67歳の2冠王者 誕生です。

1998年に佐々木健介から奪取したIWGPヘビー級王座以来のシングルタイトルで、実に23年振りのシングル王座戴冠となります。

 

最近の日本マット界では、58歳の武藤敬司や 54歳の秋山準 50歳の藤田和之らのオーバー50のベテラン勢による王奪取が、頻発していますが今回はそれを遥かに上回る67歳の藤波辰爾です!

この記録は、なかなか破られないでしょう。

 

「50周年にこんなビッグプレゼントが待っているとは。もう一回、若い時を思い出させてくれてありがとう。ここからもう一回頑張ろうという気にさせていただいた。このベルトに自分の色をつけたい」

試合後にTAMURAに対して、こう語っていた藤波は、これからの防衛ロードに意欲。

 

藤波の新王者は、新日本時代から観て来た者としては嬉しいんですけど、ベルトを獲ったと言う事は、いつかベルトを獲られる事もまた宿命

長州力や闘魂三銃士と激闘を繰り広げた あの藤波辰爾が、失礼ながらHEAT UPの選手に負ける姿は観たくないんですけど、藤波は自分の為よりもプロレス界の為に、下の世代の選手達に飛龍魂を継承していく決意を固めているのかも知れません。

 

外敵と言うイメージは余り無いかも知れませんが、外の人間に王座を奪われたのは事実なので、HEAT UPの選手達はこの機会に、藤波の全てを吸収するつもりで藤波に噛みついていって欲しいですね。

そして藤波も、20代30代の選手が中心のプロレス界ですが、とことんまで時代に抗って欲しいと思います。

王座に挑戦すると決めた時点で、言うまでも無くそのつもりだったとは思いますが。

 

かつて新日本プロレスのエースだった男が、67歳の年齢で今度はHEAT UPを舞台にどんな景色を見せてくれるのか、炎の飛龍はまだまだ燃え尽きそうにありません!