プロレス界に数多くある必殺技
投げ技から間接技、打撃技まで種類は様々ですが、ベスト·オブ·ザ·必殺技と言えば、スタン・ハンセンの繰り出すウェスタンラリアット。
これに間違いないと思います。
ラリアットと言えば相当数の選手が使い、腕を喉元にブチ当てるだけの単純な技ではありますが、ハンセンのウェスタンラリアットは他の選手とは、破壊力も迫力も説得力も全てが違います。
中には、かなり強烈なラリアットを使いこなす選手も居るには居ますが、ハンセンと比べるとやはり一歩劣る印象。
ただ腕を当てるだけではなく、ハンセンの場合は体重を乗せて カチ上げるように決めるので、インパクトは絶大でした。
ハンセンがまだまだ健在だった1990年代は、超世代軍を応援していたので、彼らとハンセンの試合で、ハンセンが左腕のサポーターをずらして、ウェスタンラリアットを狙ってる時の絶望感は凄まじい物があった物です。
何せ食らえば、超世代軍トップの三沢光晴でも確実に一発でやられる程の文字通りの必殺技なのですから、三沢を応援していた立場としては「三沢~逃げて~~」と心の中で叫んでました(笑)
過去に三沢は、一度だけウェスタンラリアットをカウント2で返した事はありましたが、ハンセンがそれまでのダメージでフォールに行くのが、かなり遅れた為に、三沢には回復の時間は充分にあったので、それは余り参考にもならないと思います。
記憶が正しければ、マトモにフォールを返したのは、ジャンボ鶴田の一回だけだった様な気がします。
あのタフネス揃いの全日本プロレスで、これはとんでもない事ですよね。
かつて小橋がラリアットを使い始めた頃に「決して乱発はするな。使うなら一撃で決めろ」とアドバイスしていた様に、絶対に乱発はしない事で、自らの必殺技の価値を守り続けてきました。
これは現代の選手達にも見習ってほしい精神です。
とにかく当たれば確実に一発で試合が終わるので、相手も喰らわない様にそりゃあもう必死です。
避けたり迎撃したり 徹底的に腕殺しに拘ったり、あの手のこの手でウェスタンラリアット封じに策を弄しますが、それを全てねじ伏せるだけの力が、ハンセンにはありました。
走ってきた相手にカウンターで仕掛けあっという間に、形勢逆転どころか試合を一瞬で終わらせたりするなんてのは当たり前で、避けられれば、そのまま回転して遠心力を上乗せした更に強烈な一撃を喰らわせたり、コーナーからダイブしてきた相手をウェスタンラリアットで迎撃なんてのも有りました。
ムーンサルトプレスを狙い コーナーに上がった小橋建太の背後から近付き、ウェスタンラリアットでリングに叩き落とすと言う凄まじい一撃を披露した事もありました。
どんなに相手に、徹底的にディフェンスされても警戒されても、最後にはウェスタンラリアットを炸裂させ それ一発で試合を強制終了させてしまう辺りは、正しくプロレス界を代表する必殺技だったと言えます。
今後もラリアットを使う選手は、山ほど出現するでしょうが、ハンセンのウェスタンラリアットを越えるラリアットの使い手は、恐らく現れる事は無いでしょうね。