天山広吉の技と言えば真っ先に。何が思い浮かぶでしょうか？
アナコンダバイスやTTDも良いですが、1995年の衝撃的な凱旋から天山を見ていた者としては、天山プレスが思い出されます。
名称に関しては、人によっては普通にムーンサルトプレスと呼ぶ人も居れば、天山プレスと呼ぶ人も居ますが、個人的には天山プレスがシックリ来ますね。
凱旋直後の天山は、かつての山本広吉から大きな変貌を遂げて 長州力からダイビングヘットバッドでフォールを奪ったのを皮切りに、馳浩、佐々木健介、蝶野正洋、武藤敬司から立て続けに天山プレスでフォールを奪った事で、あっという間にトップグループの仲間入りを果たしています。
特にシングルで、武藤に勝ったのが衝撃的でしたね。
ムーンサルトプレスの第一人者の武藤のムーンサルトプレスをカウント2で返すと 今度は天山が掟破りのムーンサルトプレスでフォールを奪ってしまったのだから いくらスランプからの欠場明けの武藤とは言え 当時・大ファンだった自分は、武藤の敗戦にショックでした。
あのゴツい体でのムーンサルトプレスなので、説得力は抜群だし実際に、数々の大物からフォールを奪った技なので、この頃には既に、天山の最上級の技と言う認識になっていたと思います。
ちなみに、この時はまだ「天山プレス」と言う名称は、存在していません。
そしてスランプから復活した武藤が、IWGP王者となった際の初防衛戦の相手は、因縁の天山。
同じ技を使う両者だけに、今回の対戦もそこに注目が集まる中、最終的にムーンサルトプレス封印マッチとなり負けた方は、今後ムーンサルトプレスが使用できなくなる形式で、試合が行われました。
何発ものムーンサルトプレスが飛び交う試合となりますが、驀進中の武藤は、やはり強く天山のムーンサルトプレスを返した上で、今度は武藤が本家のムーンサルトプレスで天山を仕留め 前回とは逆のパターンで、見事な雪辱を果たしています。
この結果 天山はムーンサルトプレスの封印を余儀なくされる事となり天山の試合で、ムーンサルトプレスを見る事は出来なくなってしまいます。
そして三ヶ月後のG1クライマックス。
初戦の健介戦で、事件は起こります。
試合終盤になると健介をダウンさせた天山が、コーナーに向かって歩き出します。
何かを察した場内は、一斉ブーイング！
リングに背を向けながらコーナーに登っていく天山に、場内は更にブーイング！
しかし そんな事はお構いなしに、天山は封印された筈のムーンサルトプレスを敢行したのです！！
あの封印マッチは、何だったのか？
そんな事は関係無しに、天山は平然とムーンサルトプレスを出してしまい まんまと健介から勝利してしまいました。
武藤との封印マッチなんて無かったかのように、それ以降は当たり前の様に解禁状態になり 当の天山は「あれは天山プレスや！」と開き直る始末。
天山プレス誕生の瞬間です。
単なる屁理屈とも言えますが、ヒールとしてバリバリやっていた当時の天山としては、当たり前の行動かも知れません。
封印マッチに勝利した武藤も何とも思って無かった様ですしね。
最近では、使用頻度こそ減りましたが、大舞台では稀に出す事があり 天山プレスを見れた試合は、何だかラッキーな気分になります♪