全日本プロレスが、国立代々木競技場 第二体育館大会で行った年内最終戦のメインイベントは、中嶋勝彦vs宮原健斗の因縁の3冠ヘビー級選手権。
この2人の因縁は、言わずと知れた健介オフィス時代から引き摺るもので、2月の再開から遺恨が再燃し、7月に遂に組まれた一戦では、先輩として中嶋が貫禄の勝利をしています。
初戦での中嶋勝利はある程度 予想の範囲内だったと思われますが、この敗戦は全日本のエースとしては余りにも手痛い敗北。
早急なリベンジは必須でしたが、そんな状況下で、中嶋は9月にノアを退団して全日本に参戦
あっという間に3冠王座を奪取して最強タッグまで制覇してしまい、あっさりと中嶋は全日本の頂点に立った訳ですが、全日本勢としては悔しい反面 大晦日に3冠挑戦が決まった宮原としては、最高に美味しい状況が整ったとも言えます。
因縁の中嶋にリベンジを果たせると同時に、奪われた3冠王座の奪回
目立ちたがり屋の宮原としては、この状況に燃えない筈が無いでしょう。
しかし結論から言うと宮原は、再び敗れてしまいました。
元々 中嶋のポテンシャルは、日本マットでも屈指の物だったと思いますが、この一戦に懸ける宮原の想いは相当な物だった筈なので、これからフリーとして生きていく決断をした中嶋の執念の方が上回ったという事でしょうか。
しかも最後は、必殺のバーティカルスパイクでもなく 何と腕固め。
中嶋がこんな技で試合を極めた事は記憶にありませんが、全日本参戦をしてから、しきりに「闘魂」を口にしていたので、中嶋なりに考えてのフィニッシュだったのでしょうね。
「王道」のリングで敢えて「闘魂」を出す所は、なかなか面白いと思います。
しかも試合後にはまさかの「ダー!」で締められてしまったので、宮原を初めとした全日本勢は立場がありません。
これは、もう中嶋の完勝です。
2連敗を喫してしまった宮原は、今後どうなるのか?
三度目の正直に向けて動き出すとは思いますが、そう簡単に3度目とはならないのは明らか。
ここから中嶋に挑戦を認めさせるだけの実績を積まねばなりません。
2024年は、宮原にとって本当に勝負の年となります。
そして中嶋にとっても更なる全日本侵攻を果たす為の勝負の年
中嶋勝彦と宮原健斗
2人の因縁はまだまだ終わりそうもありませんが、10年来の遺恨はこの全日本マットでどの様な終着点を迎えるのか?