今年の高橋ヒロムは、本当に精力的に動いていると思います。
ノアとの対抗戦では、大原はじめと激突したのを皮切りに、ノアの東京ドームで、AMAKUSAとの王者対決。
オールスタージュニアフェスティバル開催に向けて先頭に立ち、大会を実現させたかと思えば、そこから派生した流れで、ドラゴンゲートの象徴でもあるYAMATOとのシングル。
そして今度 新たに電撃的に決定したシングル戦が、何と「ヒロムvsフジタJr.ハヤト」というドリームカードでした。
これは、また何とも豪華な夢のシングルマッチ。
昔はともかく近年では、新日本プロレスとみちのくプロレスは、積極的に交流する事は無かったので、ヒロムとハヤトの対決と言うのは、超異色な組み合わせ。
ハヤトは、2010年にスーパーJr.に参戦した事がありますが、この頃はヒロムはまだデビューすらしていなかったので、新日本のリングでヒロムとハヤトが向かい合う事は、只の一度もなく ヒロムがデビューして新日本Jr.のトップ選手に成長してからも、両者が遭遇する事はなく 年月だけが過ぎていきました。
もちろん団体同士の接触が少なくなった事が大きく関係してはいるんですが、この両者がリング上で向かい合う日が来るとは、思いもしませんでした。
この対決が実現に至ったキッカケは、昨年5月にヒロムが出演していたプロレス専門チャンネルの番組。
当時欠場中だったハヤトが番組内で対戦を要求し、その時からヒロムもハヤトの事を意識するようになったと言います。
それまで、ほぼ接点が無かったとは言え、ハヤトの活躍はヒロムならば当然知っているだろうし、ハヤト程の選手からラブコールを受けたとあっては、ヒロムがハヤトに目を向けるのも当然でしょう。
とはいえ この時点ではお互いに「闘いたい」という願望だけで、これが実現に向かって現実味を帯びてきたのは、今年3月に開催された「オールスター・ジュニアフェスティバル」
この大会でトリオを組んだ2人は、よりお互いを意識をするようになり、近い内での再開を約束。
そして今回の実現に至った訳です。
ヒロムはハヤトとの戦いを「究極の一戦」としていて、今年に入ってから他団体の大物と対戦する機会の多かったヒロムにとっても特別な一戦。
ヒロムは首の骨折で1年半、ハヤトは癌の治療で約3年・・・お互いに引退を覚悟するほどの長期欠場をしていた共通点があり、やはりプロレスが好きという想いから、供に復帰を果たし 供に現在は王者にまでなっています。
そこの部分に、他の選手にはない特別な感情が存在するのだと思います。
お互いに王者とはいえ、ヒロムはタイトルマッチには拘らず「双方の団体へのメリット・デメリットみたいな複雑な事はいらないですね。だったらスペシャルシングルマッチの方がお互いにスッキリできて、何も考えずにぶつかり合えるんじゃないかなと。」とあくまで、個人としての闘いを希望。
更にヒロムは続けます
「色々調べて映像も見て、すげえ生き方をしてきた人なんだなって。泣きましたね。感情移入してしまって。プロレスラーでこんなカッコいい人が居たんだと。この人の生き様をリング上で感じてみたいというのは凄い思いましたね」
この発言からもハヤトへの最大限のリスペクトを感じるし、今回のこの試合に関しては、勝敗も大事ですが、正にお互いの生き様を感じる為の試合であるとも思います。
日常生活すらも ままならないかも知れない状態から、プロレスをやりたくて必死にリハビリや治療にも耐えてきた共通点を持つ2人の試合は、お互いがプロレスを大好きであると言う事を再確認しながらの闘いでもあるんじゃないでしょうか。