全日本プロレスに、今 新しい風が吹いています。
全日本最強を決める春の祭典チャンピオンカーニバル(CC)を制したのは、諏訪魔でも宮原健斗でもない、伏兵・芦野祥太郎でした。
伏兵と言ってしまうのは、芦野に失礼かもしれませんが、CCファイナリストの常連と言えば、やはり諏訪魔や宮原。
その彼らを抑えて決勝進出を果たしたのが、芦野とT-Hawkなのだから、今が全日本にとって時代の変わり目なのかも知れません。
現に2人は、素晴らしい試合をやってのけました。
芦野は昨年入団したばかりだとか、T-Hawkは他団体の外敵だとかは、そんな事は一切関係ありません。
全日本を戦場に選んだ2人が、全日本のリングで激闘を展開したのだから、それこそが現在の全日本プロレスの姿。
それは他の選手にも、ファンの目にも焼き付いた事でしょう。
試合終盤の芦野の執拗なアンクルロックは、勝利への執念を感じたし 説得力も感じました。
芦野は、もはや全日本のトップグループの一角といっても良いんじゃないでしょうか。
デビューした団体が無くなり、流れ着いた団体は、巨漢選手が多い全日本。
その中において決して体格に恵まれている訳ではない芦野が掴んだ栄冠は、これからプロレスを目指そうとしている身体の大きくない人達にも響くものがあったと思います。
それだけでも芦野のCC制覇には、大きな意味がありました。
新たな力の台頭は、これからの展開に希望を持てるし、これは全日本にとっても業界にとっても良い事ですね。
そしてCCを制覇した芦野の次なる目標は、永田裕志に奪われた3冠ヘビー級の奪還。
永田には昨年の王道トーナメントで敗れている借りもあるし、今こそあの時のリベンジを果たす絶好の機会。
リベンジと3冠奪取を果たす事が出来れば、名実共に芦野祥太郎は全日本のトップ選手となる事ができます。