3.17新日本プロレス後楽園ホール大会で、大スランプに苦しむSANADAが、復活を懸けて挑んだニュージャパンカップ。
準々決勝でSANADAと激突したのは、LIJの同門である内藤哲也でしたが、この試合の果てに待っていたのは衝撃の展開でした。
SANADAは1回戦でタイチを変形DDTで撃破した際に「迷いはなくなった」と吹っ切れた様子をアピールしており、あと欲しい物は結果だけ。 しかし今まで最も近い場所で、SANADAを見て来てSANADAの全てを知る内藤は、やはり難敵。
ここまで丸め込み技を駆使して勝ちあがってきた内藤の絶妙の丸め込み技で、ピンチに陥った上に得意のラウンディングボディプレスも2度に渡り失敗。
しかし何としても負けられないSANADAは、何とか耐え抜き デスティーノを回避すると一瞬の隙をついて ここで遂に変形DDTを炸裂。
これが見事な決まり具合で、完璧な逆転勝利を収める事に成功しています。
同門の内藤を下してベスト4に進出した事で、これでSANADAの悲願まであと一歩まで迫りましたが、衝撃の展開はここからでした。
解説席に座っていたタイチが席を立ち 突如リングにあがりSANADAの元に現れると、それに続くかのように金丸義信、TAKAみちのく、DOUKIのJust 4Guysの面々もリングイン。
以前から噂されていたのが、タイチとSANADAの共闘だけに、この場面でタイチらが現れた瞬間に場内に緊張が走ります。
次の瞬間SANADAはタイチと握手を交わし、更にマイクこう言い放ちます。
「俺はもうロスインゴにいても何も新しい物が生まれないから、今日をもってロスインゴ辞めます。これからこの5人でトップを目指していきます」と衝撃の脱退宣言。
これには、たまらず鷹木信悟、高橋ヒロム、BUSHIらのLIJもリングに飛び込んで来ますが。これに対してもSANADAは「お前らに用ないんだよ、帰ってくれ。中途半端な気持ちで辞めた訳じゃないんだよ。トップを取って景色を変えてやるよ。見てろよ」と平然といってのけました。
ここには驚きました。
確かにSANADAのLIJ脱退はある程度予想は出来ていたし、違うユニットへ移籍するのならJust 4Guysだろうなとは思っていましたが、まさかあのSANADAが「お前らに用ないんだよ、帰ってくれ。」なんて、メンバーに対してここまで言うとは思ってもいませんでした。
確かに中途半端な覚悟ではない意思表示としては、インパクトも抜群でしたが・・・
「リング上で言った通り。内藤と一緒にいる意味はないかなと。あとはこのトーナメント優勝するだけです」
もはやLIJに居る意味すらもないとまで言い切ったSANADA。
今まで結果が出せなかった事を周囲の環境のせいにしているとも捉えられなくも無いですが・・・まぁそれはそれとして、LIJは個々の集まりとは言え、固い絆で結ばれていると思っていたのでSANADAの言葉には少なからずショックでした。
でもプロレスラーは、やはり”個人なので、”この道を選んだ事でSANADAが一皮剥けれるのならプロレスラーである以上は、これもしょうがなかったでしょう。
これは現状が巧くいかないからと言って、その環境から勝手に飛び出しただけと言われない為には、やはりNJCの優勝しか・・・結果を出すしかもう残された道は無いでしょうね。
SANADAの加入によりメンバーが5人となった「Just 4Guys」はユニット名も「Just 5Guys」と変えて、これから新日本の景色を変える為に進んで行く事になります。
実力者のSANADAの抜けたLIJは、戦力的にかなりの痛手になりますが、対照的にユニット発足当初から明らかな戦力不足だったJust 4Guysは、大幅な戦力増強となったので、今後どういった動きを見せるのかが気にる所ではありますね。
しかしLIJと決別する道を選び、これで結果を出せなかったらSANADAは、今度こそ立ち直れない様な気もしますが「成功できなかった時」の事など考える暇は無いでしょう。 ここまでやったら後は、自分の力とJust 5Guysの力を信じて ひたすら突き進むしかないですが、Just 5GuysはSANADAが加入したと言っても まだメンバー的に少しインパクトが弱いと言うか・・・もう少しヘビー級かJr.ヘビー級の王者クラスの選手が一人欲しい所ですかね。
何にせよSANADAは、新日本でも1、2を争う人気ユニットを脱退して戦力的にはLIJよりも劣るJust 5Guysに移籍したのだから、シングル部門ではともかく全体的には、SANADAに架かる負担も大きくなる事でしょう。
しかし自ら選んだハングリーな道への挑戦
師匠・武藤敬司の引退や、海野や成田ら後輩の躍進など、SANADAが焦りを見せて今回の行動に出た要因は色々と重なったのだと思いますが、新たな挑戦にでるSANADAの勇気も かつて内藤が言った「一歩踏み出す勇気」正にこれだと思います。
今 寡黙な男の新たな挑戦が始まりました。