「現GHC王者は現IWGP王者と差を感じたと言っている。ならGHCはIWGPよりも下なのか?」
3月19日に、清宮海斗の持つGHCヘビー級に挑戦する事が決まっているジェイク・リーが、清宮に対して投げ掛けた言葉です。
これは、なかなか痛烈な一言。
と言うのも2月21日の東京ドーム大会で、ノンタイトル戦とはいえGHC王者の清宮は、IWGP世界ヘビー級王者オカダ・カズチカに完敗。
試合後にはコメントを出す事も出来ない程にうなだれていた清宮でしたが、後日SNSで「IWGP世界ヘビー級王者との差を痛感しました」と発信。
清宮的には、真っ向勝負に敗れて闘い終えた後の率直な感想を述べただけなのでしょうが、これはノアで闘う他の選手的には、少し引っ掛かる部分かも知れません。
ノアのレスラーは、皆が最終的にはGHCを巻く事を目標にリングに立っているわけですし、次期挑戦者としてGHCに照準を絞ったジェイクの立場からすると「ちょっと待てよ」となっても不思議ではありません。
ノアで必死に闘う選手
そして本気でノアを応援するファン
その両方にとっては、このジェイクが投げ掛けた疑問は余りにも重すぎます。
しかし この疑問を投げ掛けたジェイク自身が、それを否定するかの様に
「違う、そうじゃない。歴史を振り返ってみろ。そのベルトの価値を思い出せ」と清宮に呼び掛けます。
これはジェイクの言う通り、今回の結果だけでIWGP>GHCという単純な話ではないと思います。
GHCの歴史は、ノアの創設者・三沢光晴に始まり、秋山準、小橋建太、高山善廣、丸藤正道、杉浦貴、KENTAと錚々たる顔ぶれが、素晴らしい闘いを繰り広げて来た権威ある王座。
新日本で初のGHC王者となったのは、永田裕志ですが、新日本の選手がGHCを戴冠するまで、実に8度の挑戦を要している程の敷居の高い王座です。
確かに今回の対戦では、IWGP王者がGHC王者に勝ちましたが、それがベルトの価値云々ではなく
オカダが清宮に勝った
只それだけだと思います。
勿論 清宮が弱いと言ってる訳ではありません。 次やれば100%オカダが勝つとも言い切れないし、たった一度の勝敗で王座の価値が決まるものでも無いでしょう。
清宮自身は「王者らしくなくても良い」と言っているし、例え腰にベルトを巻いていようと、いつでもチャレンジャーの気持ちで、ひたすら前を前を見ていく姿勢で良いと思います。
今は、GHCの価値が失墜していると言われる知れませんが、そんなのはこれから素晴らしい防衛戦を積み重ねていけば、すぐに払拭できるでしょう。
そして それが出来るには、ジェイクは相応しい実力者
「と言っても、俺はどちらもまだ巻いた事がないから偉そうな事は言えないがね」と意外に控えめながらも、大型選手の多い全日本で、2度の三冠戴冠はジェイクが本物である事の証明。
清宮とジェイクのGHC戦は、これからのノアを担う 新たな名勝負数え唄になるかも知れません。