来年の新日本プロレス 1・4東京ドーム大会は、既に幾つかのカードが決定済みでしたが、15日にようやく全カードの発表となりました。
新たに発表されたカードの中で、気になるのは、やはり来年2月21日に引退試合を行うノアの武藤敬司絡みの試合。
これが新日ラストマッチとなるだけに、ファンにとっても相対する選手にとっても特別な試合である事には変わりありません。
武藤の試合が組まれたのは第6試合
棚橋弘至、海野翔太と組んで、内藤哲也、SANADA、BUSHIとの6人タッグ。
多人数タッグかよ!と思う人も居るかも知れませんが、これはなかなか興味深いカード編成だと思います。
対戦相手の内藤にとって武藤とは、ファン時代の憧れの存在であり、2012年の東京ドーム大会では、シングル対決で敗れているので、プロになった時点で憧れではなく”ライバルの1人”とみていると言う今の内藤にとっては”憧れ”ではなく ”リベンジ”の意味合いで、意識している選手でしょう。
制御不能男になってからは、初対決です。
SANADAとBUSHIは、全日本プロレス時代に武藤とは師弟関係にあったので、全日本退団以来の師弟再開となります。 SANADAは武藤が引退発表をしても暫くは無言を貫いていましたが、最近になって武藤への思いを口にする様になったので、無口な男にもやはり師匠への思いはあったのでしょう。
それは今回の試合で、唯一のJr.ヘビーであるBUSHIとて同じ事で、階級が違うという事で、今まではリング上での目立った絡みは余り有りませんでしたが、武藤への思いは変わらない筈。
そして今回は、パートナーを努める棚橋の武藤との関係は、今更言うまでもなく今回のメンバーで、武藤との繋がりが最も深いのが棚橋。
ファン時代の憧れの存在が武藤であり、武藤の新日本時代には、師弟関係にもあり、2009年には外敵王者に君臨していた武藤からIWGPを獲り返したのも棚橋でした。 その際にしっかりとバトンを託され未来を引き継いだ事で、武藤と棚橋のストーリーは、一旦綺麗に結末を迎えています。
なので今年は2度もタッグで激突している事だし、今回は対決ではなく タッグ結成という形で、一番良かったと思います。
そしてこのメンバーに置いて 一番違和感があるのが海野でしょう。
ハッキリ言って海野と武藤には、何の関係もありません。
もちろん偉大な大先輩としてリスペクトはしているでしょうが「ラストマッチ」の舞台で、武藤に絡むだけのストーリーは海野には有りません。
しかし海野は、新日本の未来のエース候補筆頭なので、新日本の世代を越えた新旧エーストリオと見れば、また見方も変わってくるし意義もあります。
それに新日本内のストーリーで言うなら海野は内藤を強く意識しており、このドーム大会でもUSヘビー級を奪取して内藤との防衛戦を思い描いていましたからね。
11月にグレート・ムタとして新日本でのラストマッチを行っているので、この東京ドームが武藤としてもムタとしても新日本での最後の試合。
同窓会的な試合になるのか、来年の新日本のストーリーに関わる様な試合になるのかは分かりませんが、武藤との関係が深い選手もそうでない選手も それぞれに深い思惑があり、様々な思いが交錯した一戦となりそうです。