ジュース・ロビンソンのパルプフリクション

新日本プロレスは、昔から多くの外国人留学生を抱えて、様々な名選手を育成してきましたが、2015~2016年にかけては、過去に遡っても最も多くの留学生を抱えている時期でした。

ジェイ・ホワイトやジュース・ロビンソン、デイブ・フィンレー、へナーレ等 多少の時期のズレはあるにせよ、外国人留学生の飽和状態といっても良い陣容でしたね。 

 

今でこそ ジェイが存在感と実績で、飛び抜けていますが、彼らがまだヤングライオンだった頃・・・最も早くG1クライマックスに出場したり、タイトル戦線に絡んだり、いち早く上位陣に食い込んできたのは、ジュースでした。

その理由として考えられるのは、ジュースが同期の留学生達よりも早く 自分なりの必殺技を身に付けたからでしょう。

それが。2016年から使用を始めたパルプフリクションです。

 

タイガースープレックスの要領で、相手の両腕を固めたまま、体を右方向に180°捻るとその勢いで、相手の体にも同様の捻りが加えられ、自分の背後に、相手が下を向いた状態で固定される事になる。

その体勢からジャンプして 仰向けになる感じで着地して相手の脳天 もしくは顔面・体をマットに叩きつける技。

 

今でこそジュースの必殺技としてお馴染みですが、当時の新日本では殆ど使用された事のない珍しい技でした。

キルスイッチと同系の技ですが、2009年に本家のクリスチャンが、東京ドームで一度披露した位で、新日本では使い手の居ない技だったし、他団体の有名選手でもノアの小峠篤志が使っていた位なので、この当時はまだまだ珍しい技だった所を ジュースが巧く空き家を見つけた感じですね。

 

ジュースがパルプフリクションを初公開した時は、まだ正式な名称も有りませんでしたが、新日本の公式サイトでは、何故か変型リバースゴリースペシャルボムと表記されていました。

いくら”変型”とは言え、全然リバースゴリースペシャルボムじゃないんですけどね。
変形し過ぎてて全然 別モンになっとるじゃないですか(汗)

 

この技に限った事では無く、プロレス技は受け手の技量一つで、全く違う技みたいになってしまうのは良く有る事で、普通パルプフリクションを受けた相手は、顔面からフェイスバスターの様に叩きつけられてしまう物ですが、内藤哲也の場合は脳天から垂直に突き刺さってしまうと言う 何とも見ているだけでエグ過ぎる受け方をしていたのが、印象に残っています。

これが内藤の過激な受けなのか、ジュースの過激な落とし方だったのかは、ともかくとして 技の効果としても全くの別系統になってしまっていましたね。

 

この時の一撃で、内藤はジュースに初のピンフォール負けを喫してしまったのですが、この強烈な決まり具合とは裏腹に、両腕のフックがスッポ抜けて 微妙な決まり具合になってしまう事が多々あるのもパルプフリクションでは良く有る事。

両腕のフックは掴んでいるのでは無く 引っ掛けているだけなので、技の安定感としては低いのかも知れません。

 

それでもジュース・ロビンソンと言えば、パルプフリクション

ヒールターンを果たして 新たな必殺技も身に付けましたが、やはりジュースと言えばパルプフリクションと言うイメージが、かなり強く残っています。

こういういイメージを持っているのは、プロレスラーとしては大きな事。

 

これは例えどれだけ技を失敗する事があっても 根気強く自分の必殺技としてパルプフリクションを磨き続けて来たジュースの努力が生んだ結果でしょうね。