清宮が武藤越え達成!

清宮海斗のキャリア史上で、最も大きな意味を持つであろう武藤敬司との闘い。

過去に3度の対戦をするも1度も勝てていない強大すぎる壁・武藤

その武藤が引退表明をした以上は、残された時間は少ないので、引退ロード第一戦に名乗りを挙げた清宮との試合が、7・16 日本武道館大会で行われました。

 

清宮としては、本来は武藤は何の接点もない選手ですが、ノアの創設者である三沢光晴と武藤は、永遠の恋人ともライバルとも言われた間柄。

そんな武藤とここにきて世代闘争が勃発しているのは、運命めいた物も感じます。

本当ならば三沢がやるべき事だったかも知れませんが、志半ばにして倒れた三沢に代わり、同じ時代を共に生きた武藤が、三沢に代わり清宮を育てているようにも見えるそんな一戦です。

 
 
試合がついに幕を開けると、やはり百戦錬磨の武藤だけあって得意の足攻めを中心に、雪崩式フランケンシュタイナー、シャイニングウィザードの大技で追い詰め、清宮は苦しい展開を強いられる事になりますが、これが最後の対戦となるだけに何としても負けられない清宮は、今までとは意気込みが違いました。

 

戦前から語っていた様に、活路を開いたのは”武藤との一体化”。

4発目のシャイニングウィザードをブロックして流れを断ち切ると、武藤張りの低空ドロップキック、ドラゴンスクリュー、フラッシングエルボーと掟破りの連続攻撃。

そして最後は、武藤が数々の強敵からギブアップを奪ってきた足4の字固めを逆に清宮がガッチリ極めて、遂に武藤に執念のギブアップ勝ちを果たしたのです。

 

4戦目にして悲願の武藤越えを果たす事が出来た清宮は、今まで長いスランプに居ましたが、ここで武藤を倒した事で、ようやく前に進めるかも知れません。

欲を言うなら武藤の”完コピ”ではなく清宮らしく 清宮の技で勝って欲しかったとは思いますが、これも武藤の意思を受け継いでいくと言う 清宮の決意の現れでしょうか。

 
敗れた武藤は、清宮の完コピに対して「神奈月の方がうまいんじゃねえか?」とジョークとも本音とも取れる様なコメントを残してから「俺に勝ったご褒美として、ドラゴンスクリュー、足4の字固め、シャイニングウィザードをあいつに譲るよ」と継承する事を宣言。

最初にプライドの高い武藤らしい皮肉もポロリとこぼしましたが、これは最後の最後に清宮を認めたと言う事でしょうね。

 

「その代わりそれでノアが儲かってきたら、後でロイヤリティー取るから」と付け足す所は、メチャメチャ武藤らしかったですが、シャイニングウィザードはともかく ドラゴンスクリューと足4の字固めは、別に武藤のオリジナルでも無いんですけどね(笑)。

 

清宮は武藤の完コピに走ると、今後そこに批判の声もあるかも知れませんが、武藤本人から継承する事を認められたのだから、これからは武藤敬司の意思を継ぐ者として堂々と武藤の技を使っていけば良いと思います。

武藤との一体化・・・と言うよりも自分と武藤のスタイルを融合させた自分なりのスタイルを完成させれば、それが清宮海斗の新しい姿となりますからね。

 

それにしても数年前までは、まさか何の接点もなかった清宮が、武藤の技を正式に継承する事になるとは思いもしませんでした。

武藤敬司と三沢光晴の意思を受け継ぐレスラーと言うだけで、この日本マット界では、とんでもないアイデンティーとなります。

 

その肩書きに負けない様な活躍を これからの清宮には、期待したいですね。