武藤敬司の引退表明を受けて「武藤敬司ファイナルカウントダウンシリーズ」の開催を発表したNOAHですが、その初戦として7月16日 日本武道館で清宮海斗との一騎打が決定しました。
思えば清宮は、コロナ禍に苦しむ2020年の無観客興行の時から闘いたい相手としてオカダ・カズチカと武藤敬司の2人の名前を挙げ続けて来ました。
そんな中で、昨年には武藤も”NOAHに参戦”ではなく 正式にNOAH入団を果たし清宮との距離がグッと近くなった事で、これまで3度のシングルが実現しています。
結論から言うと武藤の2勝1敗で、N-1公式戦で当たる際には「清宮は安全牌」とまで言われてしまう始末で、武藤によって清宮は潜在能力は認めつつも 現時点では恐れるに足らず・・・と言った相手。
最初の2戦は、清宮の絵に描いた様な惨敗で、武藤との力量差をまざまざと見せつけられてしまい、元GHC王者の清宮としては、何とも悔しい結果となってしまいました。
3度目の対戦では引き分けに終わった物の これまでとは違う奮闘をみせて あと一歩のとこまで武藤を追い込むも、それでも武藤の牙城はどうしても崩せない・・・
清宮にとって武藤は、紛れも無く「とてつもなく高く とてつもなく分厚い壁」なのですが、近い将来に武藤を何としても越えなくてもなりません
そんな中で、6.12での武藤の引退表明
いよいよ もう猶予は有りません。
今回のシングル実現は、そんな清宮の意図を汲んだカードなのは明らかですが、今度こそ会社の期待にも応える為にも 武藤越えを何が何でも果たさなければなりません。
17日の会見では、昨年のGHCを獲った時よりも調子が良いとアピールしつつ清宮に関しては「多分これで最後だから。これで俺が勝ったら、彼の長いプロレス人生は武藤敬司という亡霊に取りつかれる事になってしまうんじゃないかって、心配していますよ」と語ります。
vs清宮では負け無しな事から、武藤には絶対の自信があるようです。
更にこれまでの3戦の時よりも調子が良いとなれば、清宮にとっては苦しい闘いになるでしょうが、今までよりも好調だからこそ、武藤を倒し甲斐があるのも事実です。
これまでの屈辱を晴らすには、これまでの武藤よりも更に強い武藤を倒さなくては意味が有りませんから、次こそ武藤越えを果たす事が出来れば トンネルに入っている現状に光も見えて来るでしょう。
ましてや最後まで武藤に勝てなかった・・・となれば清宮の中ではずっとそれが残るでしょうし、将来的にNOAHの絶対王者で大エースに成長したとしても「武藤に最後まで勝てなかった清宮」では、格好がつかないので、ここでの武藤越えは絶対条件。
10年後のNOAHを支えているのは、間違い無く清宮海斗なのだから、団体にとっても未来の為に、清宮にはもっと上がって貰わなければなりません。
その為に、今回 武藤vs清宮を組んだのでしょうから、清宮は今回ばかりは意地を見せるだけでは駄目です。 しがみついてでも勝たなければなりません。
7.16 日本武道館は、単なる武藤の引退ツアーではありません。
NOAHの未来を懸けた歴史的な分岐点となる試合です。