6.12 新日本プロレス大阪城ホール大会で行われるIWGP世界ヘビー級王者オカダ・カズチカvsジェイ・ホワイトはチャンピオンの座を懸けて闘うのは勿論の事、同時に新日本の主役・・・そして団体を牽引すべくリーダーの座を懸けた闘いでも有ります。
現在は、少なくともリング上で、新日本を牽引していると言えるのは、間違い無く王者オカダです。
しかし そこに挑戦者であるジェイが、”オカダはリーダー失格〟の烙印を押し、ベルト奪取は当然として、その後のビジョンまでも示しています。
ジェイの言い分としては、来日が途絶えていた昨年の5月から、自分はバレットクラブを広げる為・・・もっと言えば新日本を広げる為に世界中で活躍して来たのに、オカダは日本でのみ闘い、コロナ禍に苦しむ現在の規制だらけの苦しい状況を 何も変えようとはしなかった・・・と言う事です。
リング上に限って言えば、王座奪取の鷹木信悟戦、ウィル・オスプレイ戦、ザック・セイバーJr.、そして2度に渡る内藤哲也戦と 今年に入ってからのオカダのタイトルマッチは、どれも素晴らしい試合でした。
しかし ジェイは ”オカダが日本居た事・王者である事”この2点のみで、オカダがリーダーとして祀り上げられている事が気に入らないそうで、世界中で闘い 広報活動に励んでいたジェイからすれば、そう感じるのは無理も無いかも知れません。
だからと言って オカダがリーダー失格とまでは思いません。
新日本ファンはオカダの激しい試合を観て まだまだ新日本は大丈夫!と勇気づけられた人も多いでしょうから。
ジェイ的には、そう言った言い分があるのならリング上で示し、IWGPを奪取するしか認めさせる手段は無いでしょうが、逆にオカダからすれば「今まで来日すらしなかった奴が、何でちょっと襲撃しただけで王座挑戦が出来るんだ!?」との想いも有る様なので、こちらもリング上で叩きのめして黙らせるしか道は無いでしょう。
どちらの主張も分かるだけに、これは双方にとって譲れない闘いになりそうです。
ジェイは自身が王者となった暁には、コロナ禍で規制を強いられている現在のプロレス界に変革をもたらす意向を持っており
「今まで従ってきたルール、観客にお願いしていた歓声の禁止、そういう部分は声を上げて変えていきたい。エンターテインメントの側面からプロレスを考えると、観客が楽しめない状況を会社が強いているのは気に入らない。それに対して声を上げる王者がいない状況にも腹が立っている。俺は〝成功のレシピ〟を知っているから、全てを変えていきたい」
「かなりナンセンスに映っている。俺の知る限り、こんなに強い規制を強いているのは世界中で日本だけだ」と主張
歓声の解禁
プロレスを盛り上げる為に、まずはジェイはここを改革すべきだと言います。
それが実現すればプロレスファンとすれば嬉しいのですが、ただ今の状況で本当に歓声を解禁しても大丈夫なのか?と言う懸念があるのも事実ですが、やはりプロレスは歓声が有る方が、会場はもちろん TVで観ていても盛り上がりますからね。
現にアメリカでは歓声が解禁されていて、大盛り上がりを見せているので羨ましく思っていましたから、1日も早い実現を望んでいるのですが、そこに関しては冷静に状況をみる必要はありそうですね。
「オカダは現状に満足して、与えられた試合をこなしているだけという印象がある。長いコロナ禍で何かを変えようと声を上げるでも、アクションを起こしてきたわけでもない。俺はやると言ったことはやる。それでも状況が変わらないならファンからも動き出すべきだと思っている」
自分中心の主張が多いジェイではありますが、現在の日本マット界に警鐘を鳴らし、改革をもたらし日本マットをより良い方向に持って行こうとしてくれているのは、伝わります。
今回の王座戦は、ジェイがIWGP世界王座初奪取となりそうな予感はしていましたが、コロナ禍だからこそ リング上で熱い戦いを見せる事を強く意識した オカダとて襲撃や乱入をしてくるジェイに負ける訳にはいきません。
オカダvsジェイは単純に王座を懸けた闘いと言うよりは、今後の新日本の運命を大きく変える一戦となるかも知れません。