ここ最近のIWGP USヘビー級を巡る状況は、実に早い展開で、目まぐるしく変わっています。
当初はSANADAの返上した王座を懸けて棚橋弘至とウィル・オスプレイの間で福岡ドームで王座決定戦が行われる予定でした。
その間に、ジョン・モクスリーが棚橋を挑発して、棚橋はそれを受ける構えを見せて オスプレイに勝って王座を奪取した上で、改めてモクスリーと対戦と言う青写真を描いていたと思います。
しかしここで状況が一変。
オスプレイにコロナ陽性反応が出た為に、福岡ドームは欠場となってしまいました。
まぁ、ここまではしょうがない事です。
福岡ドームでは、棚橋と石井智宏で王座決定戦が行われ 激闘の末に棚橋が王座を奪取したまでは良かったのですが、疲労困憊の棚橋を背後から襲撃したのは、引退を仄めかしていた筈のジュース・ロビンソンだったのです。
しかも バレットクラブに電撃移籍を果たしてガラリと立場を変えての棚橋に対しての宣戦布告。
これで状況が、少しややこしくなってきました。
今まで2度US王者になるも これと言った物を残せてない棚橋は、王者として再三の挑発を繰り返してきたモクスリーとの決着と 背後から襲撃してきたジュースとの遺恨にケリを着けて、今度こそUS王者として再出発しなければなりません。
オスプレイは本来自分が王座決定戦に出る筈だったのが、コロナで流れてしまったので回復した今 自分こそが次期挑戦者の最前列にいる自負はある筈で、アメリカ大会で敗れたモクスリーへのリベンジもオスプレイにとっては重要課題でしょう。
モクスリーは、最もUSヘビー級王者の印象が強い選手だけに、そのタイトルを返してもらおうと言う思いは強いでしょう。 棚橋がその王座を獲った今こそ2年前から言い続けてきた棚橋との対戦は、誰にも譲れない筈。
ジュースは、バレットクラブに電撃加入をして棚橋のUSヘビー級に狙いを定めた以上は、何がなんでも王座を奪い来るでしょう。 じゃなければフェイクをかけてまでバレットクラブに加入した意味すらも無くなってしまいますので、その為には横槍を入れてくる選手など排除する他に選択肢はないと思います。 モクスリーとの因縁は数年来なのは言うまでもありません。
この四者四様の思惑と野望が渦巻くなかで、会社が発表したのは
王者・棚橋弘至
ジョン・モクスリー
ウィル・オスプレイ
ジュース・ロビンソン
5月14日ワシントンDCで、この四人による4WAYマッチでのIWGP USヘビー級選手権でした。
まさかこの形式になるとは思いもしませんでした。
4WAYは確かに面白いんですけど、王者が自分とは関係の無い所で、王座移動が起こりうる可能性があるのが、余り好きじゃないんですよね。
なので、もし王座交代するのであれば棚橋がちゃんと負けて王座を渡して貰いたいのですが、出来れば棚橋の王座防衛を強く希望しています。
棚橋が誰かをフォールしてくれれば良いんですけど、そうは簡単にいくでしょうか?
しかし4WAYとは、話題性はありますが因縁の相手を全部詰め込んだと言うか、まとめて処理しようとしてるのか、ごった煮の感じが拭えません。
出来る事なら一人ずつ相手をして欲しかった所です。
これだけ、まとめてやられちゃうと消化不良に終わる組み合わせも出てくるだろうし、恐らく消化できる因縁もほぼ無くなってしまいますからね。
そもそとシングル王座のタイトル戦は、きちんとシングルマッチでやるのが一番だと思っています。
1回限りで終わらせる気もなくnextを見込んでの4WAYなのかも知れませんが、今回に関しては棚橋にキッチリ王座防衛をして貰い SANADAが帰ってくるまでは、防衛ロードを歩き続けて貰いたいですね。