4月29日~5月1日の3日間に渡り、一つのプロレス団体が再始動しました。
大阪プロレス。
大阪プロレスは1999年に、スペル・デルフィンが設立し、地元に密着する形で地道に大阪を拠点に活動を行い、日本初の常設会場を持つプロレス団体と言う画期的な試みをした団体でした。
その活動期間の中で、今はメジャー団体で活躍する原田大輔、小峠篤志、タダスケらを輩出した事でも知られており、他にもゼウス、HUB、ザ・ボディガー、タイガースマスクら多数の選手を育てた事で、その育成能力は、高く評価されていました。
しかし2014年3月に、諸事情により全選手が退団すると発表され 大阪プロレスは団体から興業会社として形態を変えて フリーや他団体の選手を呼んで、単発で年数回の大会を行なうに留まっていました。
しかし2021年 全日本プロレスに所属していたゼウスが、夢であった大阪プロレス最高に向けて動き出し、全日本のトップの一角の地位をも捨てる事を決意。
全日本を退団したゼウスは、これまで坂上前オーナーから全株式を買い取り、2022年から大阪プロレスを興業会社から再びプロレス団体に戻して、再始動する事を発表したのです。
これは凄い事です
歴史ある全日本プロレスで、最高峰の三冠ヘビー級王座を獲得したばかりか、世界タッグ、アジアタッグ、そしてチャンピオンカーニバル優勝と華々しい実績を持っていたゼウスは、紛れもなく全日本のトップクラスの一人でした。
その地位を全て捨てて 自らがこれまで堅実にためて来た資金で、多額の株式を取得して 大阪プロレス出身の選手を呼び戻し、希望のギャラもきちんと保障しているというのだから、ゼウスの大阪プロレスに懸ける想いは本物です。
ここまで自分を育ててくれた団体への愛は、物凄いと思います。
かくしてアゼリア大正ホールで、大阪プロレス再始動の三連戦が行われ 大阪の街を大いに盛り上げました。
大会には創設者のデルフィンも参戦して花を添え、大阪プロレスゆかりの懐かしの選手が顔を揃える中、最終日のメインイベントでは、ゼウスが三原一晃を必殺のジャックハマーで下し、リニューアルされた大阪プロレス王座を獲得。
連日の満員を記録し大会も 大盛況のうちに終わりました。
欲を言えば原田や小峠らのNOAHに行った選手も スポットとしてでも良いから参戦して欲しかった所ですが、これは団体間のスケジュールや色々な問題も有るからしょうがないですね。
でも 今後更に大阪プロレス所縁の選手が、再び大阪のリングに上がる事を期待しています。
参戦して欲しい選手は、まだまだ居ますからね!
坂上前オーナーがデルフィンから買い取った株式の額は相当の物だったらしく、その額を知っている人間は誰もが「買い戻すのは到底無理だ・・・」と諦めていたようですが、ゼウスだけは諦めていなかった様で、到底無理だと言われた全株式取得を成し遂げた事に、ゼウスの覚悟も見えた気がします。
出来ればゼウス一人の負担ではなく、大阪プロレスに思い入れのある選手達が、少しずつでも良いから資金を出し合って 株式を買い戻すなりしていれば、もっと良い話だったんでしょうが、そこは各々事情があるのでしょうがないんでしょうか。
かつて一人のファンに「いつか必ず大阪プロレスを復活させる」と約束した事を実現させた事は、本当に素晴らしいし、凄い事です。
浪花の街に、今 プロレスの灯が再び灯り始めました。