総合格闘技やＫ－１など他のプロ格闘技から、ある程度の実績を持ちながら、プロレスに流れて来た選手は、ベースとなった格闘技的な技を必殺技に選ぶ事が結構多いです。
勿論そのパターンばかりが全てでは無いですが、その例外の中でなかなかのインパクトのある必殺技を使用していたのが、ボブ・サップです。
サップは2002年に、新日本プロレスに参戦していますが、その直前に総合格闘技でアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラに肉薄し、K-1ではアーネスト・ホーストを撃破する等 格闘技ではデビュー間も無いにも関わらず充分な実績を引っさげてのプロレス参戦。
厳密には格闘技興業に出るよりも先に、アメリカWCWでプロレスデビューしているのですが、前座でわずか数試合のみなので、キャリアとして数えるには微妙。
なので知名度を上げて実績を積んだ格闘技から流れてきた選手として、カウントしても良いかも知れません。
そのサップの新日本のデビュー戦となったのは、東京ドームと言う大舞台で、新日本でも屈指のパワーを持つ中西学。
ゴングが鳴るや いきなりのスピアーで速攻をかけた中西でしたが、サップはそれを受け止めると パワーボムで中西を抱え上げて、自分の身体ごと前方に倒れ込んで叩きつけるビーストボムを炸裂させたのです。
この一撃がまた凄かった。
あの中西を軽々と担ぎ上げて、物凄い迫力で叩きつけた あのインパクトには東京ドームが騒然でした。
もしかしたら この一撃で勝負は決していたのかも知れませんが、その後は短時間ながらも きちんとプロレスを成立させてフィニッシュこそ 違う技だった物のサップのプロレスへの適応力と怪物性。 そしてビーストボムの凄まじさをまざまざと見せつけています。
2004年には、この豪快なビーストボムで佐々木健介からIWGPヘビー級王座を奪取し、あっという間に頂点にまで登りつめています。
その後の防衛戦で中邑真輔
WRESTLE-1では秋山準
日本マットでもトップクラスの選手達を全てビーストボムの一撃で葬っているだけに、本物の必殺技だと言えます。
格闘技で絶大な知名度を得たサップがビーストボムをフィニッシュに選んだのは、プロレスでガチンコの打撃をフィニッシュにするのは、なかなか難しいし、かと言って総合格闘技の寝技の技術をサップに求めるのは無理な話。
ならば必然的に、体格やパワーを活かしたビーストボムが必殺技にチョイスされたのも当然だったのかも知れませんね。