規制の技を更に進化させて 雪崩式にまで発展するのは良く有る事ですが、それは基本的に相手に研究されつくして来たとか、決め手にならなくなって来たとか、ネガティブな要素が多少はあるものです。
獣神サンダー・ライガーの考案したフィッシャーマンバスターも様々な派生技が、様々なレスラーによって開発されていますが、ライガー本人により雪崩式に進化した技の一つ。
J-CUP開催に向けて考案した秘策として、フィッシャーマンバスターを考案したのが、1994年4月。
一回戦で新鋭のハヤブサを下すも、2回目の公開でグレート·サスケにカウント2で返されてはしまいましたが、その後のシリーズでもフォールは充分に奪える技で、必殺技としてはまだまだ通用する位置には、ありました。
最もフォールを奪う相手は、キャリアの浅い選手が中心でしたけど。
大盛況の内に終わったJ-CUPの勢いを次ぐ形で、恒例のスーパーJr.が開催されたのが、1994年6月。
スペル·デルフィンの躍進がめざましい大会で、決勝進出者は最後までもつれましたが、公式戦最終戦でライガーが対戦したのは、ワイルド·ペガサス。
前年度覇者であり先のJ-CUP優勝者とあってライガーも苦戦を強いられましたが、この試合を勝てば決勝進出となるライガーは、意地を見せ 最後は初公開となる雪崩式フィッシャーマンバスターを繰り出して ペガサスを振りきっています。
いずれフィッシャーマンバスターも雪崩式になるだろうとは思っていましたが、このタイミングで、雪崩式が出る事には少し驚きました。
何せ 正調式が初公開されてから、僅か2ヶ月で雪崩式が公開されたのだから、これは余りにも早すぎます。
自らが提唱したJ-CUPでも準決勝で敗退して、このスーパーJr.でも話題を全てデルフィンに持っていかれた上に、決勝進出も先に決められているの状態なので、日本のJr.ヘビー級を牽引するライガーとしては、正に後がなかった状態だった事が、ライガーに雪崩式を出させたのかも知れません。
ここで何としてもペガサスを倒さないと、決勝のリングに立つ事すら叶いませんからね。
そんなライガーの焦りと使命感が、あったからこそ生まれた技が、この雪崩式フィッシャーマンバスターだったのだと思います。
結果的に決勝戦で、デルフィンをこの技で破り2度目の優勝を果たして、翌年のJ-CUPも同様に雪崩式フィッシャーマンバスターで初優勝を果たしています。
その時に受けた外道曰く「あんなの、死んじまうよ!!」と舌を巻いていた程で、文字通りの一撃必殺だったのですが、いつしかフィニッシュには、ならなくなってしまいました。
あれほどの技がフィニッシュにならないのは、問題だと思うんですが、恐らくその要因の一つが、ライガーが次々に新技を考案して直ぐにそっちに、浮気しちゃうのもあると思います。
本人が必殺技として使用しなければ、フィニッシュにはならないですからね。
こう考えると、技の開発に余念が無い研究熱心なのも考え物かも………