天山広吉が繋ぎ技としても フィニッシュとしても長年使い続けて来た技と言えば、テンザン・ツームストン・ドライバー=TTDです。
TTDの良く知られている形は、胴と股から通した腕をクラッチしながら、両膝を突く形で相手の脳天から突き刺す変形のツームストン・パイルドライバーですが、かつてのTTDは違う形で使われていました。
抱え方は同じながらも、ドリル・ア・ホール・パイルドライバーの様に開脚して尻餅を付きながら、その間に脳天から突き刺す従来のTTDとは、比較にならない程の超危険技です。
これが現在の呼び名で、オリジナルTTDと言われる型です。
天山の凱旋帰国直後の1995年から、オリジナルTTDは数回使用されていて この技で負傷者を続出させてしまった事から、余りに危険すぎると封印される事となってしまったのですが、ヒールを演じながらも人の良い天山の事だから、負傷者を出してしまった事は悔やみきれなかったでしょうね。
封印は止むなしでしょうか。
この時点では、これが本来のTTDだったので、勿論オリジナルTTDと言う呼び名は存在しませんでしたが、後に改良を加えて膝を突く形のテンザン・ツームストン・ドライバーを使うようになった事で、これがTTDと呼ばれるようになり、数年後に解禁された開脚式がオリジナルTTDと区別されるようになりました。
オリジナルTTDは、過去に負傷者を出した危険技と言う事で、決して安売りする事は無くここぞと言う場面での 天山が認めた相手にしか絶対繰り出す事はありません。
危険技を使う側の責任とも言える問題ですが、乱発を避けるのは大正解だと思います。 大正解なんですが・・・滅多に出さないオリジナルTTDを受けるのは、いつも小島聡と言う不公平感。
2005年 小島とのIWGP&三冠のWタイトルマッチで敗れた際の 再起を懸けた東京ドームでのリベンジマッチで使用。
2006年 全日本所属で有りながらG1に出場して 決勝まで勝ち上がってきた小島をオリジナルTTDで返り討ちに。
2011年 新日本にフリーとして参戦した際に、G1公式戦の最終戦で既に決勝進出の望みを断たれていた天山が、意地のオリジナルTTDで小島の決勝進出を阻む。
ざっと思いつくだけで、オリジナルTTDを出したのはこの辺りです。他にもあるかも知れませんが、ほぼ小島ばかりと言うのは変わりません。
小島ばっかり この危険な技を受けて可愛そうではあります
テンコジタッグの相棒である小島に、あんな危険な技を仕掛けるなんて酷い!と思うかも知れませんが、上記の3つは全てテンコジタッグは休止中で、小島が全日本所属時代、もしくはフリーとして新日本参戦してきて敵対関係にあった時期。
それでなくても オリジナルTTDは天山自身が認めた相手にしか絶対繰り出さないので、誰よりも小島の事を知っている天山だからこそ・・・相手が小島だからこそ3回も繰り出したんでしょうね。
小島にとっては、敵地でのIWGP防衛、外敵としてのG1優勝、フリーとしてのG1決勝進出。 大一番でしか出さない技なので当然と言えば当然なのですが、外敵時代の小島の野望をことごとく打ち砕いて来たのが天山であり、オリジナルTTDだった事を考えると、切っても切れない関係にあるテンコジの闘いの歴史の裏には、オリジナルTTDがありました。
久しく オリジナルTTDは解禁されていませんが、もし使う機会があるとすれば、また小島聡かも知れませんね。