1990年代のJr.ヘビー級を中心としたプロレス界では、獣神サンダー·ライガーが編み出した技が、各団体の各選手達もこぞって使用する様になり、雪崩式フランケンやフィッシャーマンバスターを使う選手は、かなりの数にのぼった物です。
その中の一つとしてライガーボム。
これも使用者はかなり多く ライガーと同じ新日本Jr.の中でも使用者は、やはり居ました。
大谷晋二郎も頻繁にではないにせよ、ライガーボムを使用していた一人でしたが、1999年から独自の改良を加え オリジナルホールドの開発に成功しています。
パワーボムの体勢で、相手が垂直になるまで抱え上げた時点で、螺旋を描く様に360℃旋回しながらライガーボムの要領で落とすスパイラルボムです。
当初は”旋回式ライガーボム”と呼ばれていましたが、後に公募によりスパイラルボムに改名。
この技はカッコイイし、ネーミングも単純ながらも分かりやすくて良い名前で、好きな技なんですが、大谷がスパイラルボムを使い始めた時は、違和感だらけだったのを今でも覚えています。
個人的な印象かも知れませんが、大谷と言えばキレのあるドラゴンスープレックスと華麗なスワンダイブ式が余りにも 鮮烈な印象を与えていた為に、ボム系の必殺技は似合わないと言うか、どうにもしっくり来ませんでした。
しかし使い続ける事は、大事ですね。
いつしか そんな印象もなくなり、ドラゴンスープレックスと並ぶ大谷晋二郎の二大必殺技になっていたと思います。
ライガーボムの本家のライガーからも、スパイラルボムで文句のつけようの無いフォールを奪っていますからね。
やがて大谷も2001年には、ヘビー級に転向すると同時に、ドラゴンスープレックスを初めとするJr.時代の得意技は一旦封印したのですが、ヘビー級となった新生大谷のパワーを印象付ける為か、スパイラルボムだけは変わらず使用を続けていました。
勿論体重の増加に伴い 技の破壊力と迫力もアップしているので、ヘビー級戦士となった大谷には相応しい技だったのでしょう。
ZERO-ONE移籍後の盟友となる田中将斗との初対決もスパイラルボムで制しています。
フィニッシュとする事も多くなり すっかりスパイラルボムに関する違和感も消えましたが、あくま個人的な印象ですが、やはり大谷と言えばドラゴンスープレックスなのは、今でも変わりません。
とは言っても、キャリアと年齢を重ねて身体にガタも出始めて来ると、スープレックスや膝や腰にかかる負担も大きそうなので、ボム系の技を使う方がこれからの現役生活を考えると無難なのかも知れませんね。 体力やコンディションが低下して来るとボム系も厳しくなって来るかも知れませんが、それはもう少し先の話。
直接 大きな負担のかかるスープレックスを乱発して 選手生命を縮めるよりかは、幾らかマシでしょう。
ここ一番ではドラゴンスープレックスも使いますが、大谷が一日でも長く熱いファイトを見せてくれるのなら、今はスパイラルボムも大事にしていかなくてはならない技なのでしょう。