2.19新日本プロレス 北海きたえーる大会で、行なわれたIWGP USヘビー級選手権 王者・棚橋弘至vsSANADAの一戦は予想が難しい一戦でしたが、新日本に流れ着き6年間寡黙に闘い続けた男が、遂に王座戴冠と言う形で一つの結果を出しました。
試合に関しては、戦前の予想通り濃密なレスリングを展開した29分26秒でした。
お互いの得意技を高度な読み合いでの切り返し合戦。
クラシックなコブラツイストの掛け合い
ドラゴンスリーパーを裏返しての掛け合い
パラダイスロックを巡る攻防
ハイフライフローもラウンディングボディプレスも互いに膝を立ててディフェンス。
普段は見せないフェイントや、普段は見せない切り返しなど とにかくプロレスの達人同士ならではの試合でした。
最後はハイフライフローを自爆させてからの オコーナーブリッジで勝負あり。
遂にSANADAがIWGP USヘビー級王者に輝きました。
新日本に参戦して6年目にして 初となるシングル王座奪取は、SANADAの実力を考えると余りにも意外な事実ですが、これでようやくSANADAに見合った肩書がSANADAにつく事になったと言えますね。
ロスインゴの他のメンバー全員が、ベルトを持っている時期でもSANADAだけが無冠だったり、自分よりも後から新日本に来た筈の鷹木信悟が、NEVERやIWGP世界ヘビー級を奪取したりと、SANADAは口にこそ出しませんでしたが、絶対に焦りはあった筈です。
それでも 腐らずにコツコツと自分の得意とするレスリングを貫き、2022年に入って掴んだチャンスを物にしたのは、これまでSANADAが頑張って来た証明です。
ようやく手にしたベルトが、4度挑戦しても獲れなかったIWGPヘビー級ではなく 初挑戦のUSヘビー級と言うのは少し意外でしたが、赤いベルトはSANADAに良く似合います。
カッコ良いです。
棚橋には、もう少し防衛して欲しかったと言う気持ちはありましたし、棚橋が熱望していた武藤敬司との防衛戦が無くなったのは残念でしたが、棚橋にだってまだまだチャンスはあります。 また獲り返せば良いんです。
今回はSANADAが一枚上手だったというだけで、負けはしましたが今回のSANADAとしか出来ない闘いは、KENTAとのノーDQマッチで淀んだ棚橋の心に一種の清涼剤となった事でしょう。
今は素直にSANADAの王座初戴冠を祝福したいと思います。
今の新日本プロレスで、あれだけのクラシカルなレスリングを堪能できるタイトルマッチを出来るSANADAは非常に貴重な存在なので、これからSANADAが作り上げる赤いベルトの世界が物凄く楽しみです。
SANADAは、もっともっと評価されて良い選手です。