1.16 NOAHの仙台サンプラザホール大会で、鉄壁の結束を誇っていたと思われる金剛に絆にヒビが入りました、
GHCJr.ヘビー級王者の原田大輔と吉岡世起とのシングル戦の直後に、原田の前に現れたのは覇王で、誰もが挑戦表明と思ったでしょうが、マイクを持つや原田に対して
「環境を変えたいんです。一緒に戦ってください!」
とまさかの正規軍加入を直訴。
これには驚きました。
金剛から離脱者が出ること自体もそうですが、まず余りにも唐突すぎました。
確かにこの日の第一試合で、覇王と仁王の珍しい誤爆が2度も続いたりと、いつもと違う雰囲気は流れてはいましたが、それもこの日の出来事なので、ここに至るまで金剛のメンバーとの間に不協和音が流れたり、正規軍の勧誘があったりした訳でも無いので、ストーリーラインとしては唐突すぎる流れだったと思います。
そこら辺はもう少し 丁寧に流れを作っていくべきだったのに・・・とは思ってしまいます。
まぁ・・だからこそ サプライズ感はあったんですが、原田がこれを「断る理由がない。一緒にやろう」と受諾した事で、怒り心頭の金剛Jr.ヘビー勢の仁王と亜烈破が、リング上に雪崩れ込んできました。
彼らからすれば、この覇王の突然の行動は完全な裏切り行為なので、そりゃあこうなりますよね。
特に仁王の怒りは凄まじく覇王に詰めより一触即発になりますが、原田が間に入り この場でのタッグマッチを提案。
急遽 原田&覇王組VS仁王&亜烈破組が行われる流れに。
会場に居たお客さんにとっては、一試合増えるサプライズです。
言いたい事があるのなら、リングでぶつかり合うのが、レスラーの流儀とばかりに、いざ試合が始まれば覇王は、仁王と激しくやり合う展開になります。
最終的には、原田が亜烈破を片山ジャーマンで撃破するのですが、かつての相棒同士はその後も乱闘を繰り広げ、今後の含みを持たす結末となります
唐突とも言える覇王の行動の真意は
「僕は上に行きたい。その為に環境を変えたい。金剛に何かあるわけじゃない」と金剛のやり方が嫌になったとか、仁王の誤爆が許せなかったとかの恨みつらみの理由では無く、向上心から来た物である事を説明。
思うに今このタイミングで覇王が、金剛離脱を決めた理由は高橋ヒロムの存在があると思っています。
と言うのも覇王とヒロムは、メキシコ修業時代に苦楽を共にした中で、シングル経験も有り その時はキャリアに勝る覇王が勝利しています。
しかし2017年にヒロムは凱旋すると同時に、IWGPJrヘビー級奪取、スーパーJr.制覇・・・・瞬く間に日本マット界のJr.ヘビー級を代表する選手にまで成長し人気も絶大、一方の覇王はNOAHに戦いの場を求め金剛に加入するも お世辞にも目立つポジションに着いていたとも言えません。
そう この数年の間に、ヒロムと覇王の立場はすっかり逆転していた所か、気が付いたらヒロムは覇王の遥か先を行っていました。
2022年に勃発した新日本vsNOAHの対抗戦の際には、ヒロムの口から覇王の名前が飛び出しますが、再三の挑発にも無言を貫く覇王
執拗な挑発に加え 対抗戦時に覇王は、セコンドだったにも関わらずヒロムに攻撃を受ける場面も有り、遂にヒロムを鉄柵に振り返す場面も見られましたが、やはりかつての後輩にあそこまで言われては、我慢出来なかったのでしょう。
しかし かつての後輩は、自分とは比べ物にならない実績を持ち 強大な存在になっていたからこそ、今の自分がヒロムの対角線に立つ事に、葛藤があったのかも知れません。
だからこその 「僕は上に行きたい。その為に環境を変えたい 」とのコメントと行動だったのでしょう。
金剛と言うユニット全体で考えると覇王の離脱は残念ですが、今回の覇王の行動は支持します。 ヒロムに並び立つ為に自分を変えようと今の環境を捨て、行動に出た覇王には是非とも頑張って貰いたいです。
そして いつの日かヒロムに負けない実績を積み重ね、今後新日本との対抗戦の機会があったのなら その時こそ覇王vs高橋ヒロムが実現してくれると信じています。
最もその前に、裏切られた想いの仁王は「絶対に許さない!」と怒り心頭なので、こちらの遺恨清算が最優先となりますが、果たして覇王はヒロムに辿りつけるのでしょうか?
いや 辿り着かなくてはなりません。
覇王の今後の活躍に期待です。