プロレスには様々な危険技があります。
パッと見は垂直落下式が、最も危険な技に見えるかも知れません。でも全てがそうとは言いませんが、微妙に角度の付いた落とされを方をする方が、危険な場合だってあります。
土井成樹の必殺技 マスキュラーボムは決して脳天から突き刺す様な、本当に垂直落下で落とす技ではありませんが、プロレス技の中でもトップクラスに、危険な部類の技だと思います。
リバースパワーボムの要領で相手を持ち上げながら、体が垂直になった時点ハーフネルソンに固めると 前方に頭を押し込んで回転させながらシットダウン式で、後頭部からマットに叩きつける危険技。
土井はドラゴンゲートでもODG王者に輝いた事の有る実力者ですが、それを支えたのは間違いなく土井の代名詞でも有り、最強の必殺技でも有るマスキュラーボムです。
マスキュラーボムは、いかにも頸椎をやっちゃいそうな危険な角度から落とす技なので、観ている方もヒヤっとしてしまいますが、実際にあのCIMAもマスキュラーボムを受けた事で、首を負傷してしまい病院送りにされています。
そこまで落差が無いが故に、受け身も取り難くその癖に急角度で落ちる為に、どんな相手でも確実に3カウントを奪えるほどの破壊力の有る技ではあります。
恐ろしい落ち方をするので、余り好きな技では無いですけどね。
その破壊力から他団体の大物とタイトル戦で、土井が勝利した際のフィニッシュとなったのは、やはりマスキュラーボムでした。
GHCJr.タッグでは、鈴木鼓太郎
ODGでは、金本浩二
ここいらのクラスを相手に、王座戦で勝利を収めているのだから大した物です。
金本や鼓太郎も強い選手とは言っても、土井と同じJr.ヘビー級の選手なので、まだ納得できる部分では有るんですが、土井は何とODG防衛戦で230Kgのスーパーヘビー級 あの元・横綱の曙を挑戦者に迎え防衛した事も有ります。
当時これはどうなんだろう・・・思った物です。
曙と言ったらプロレス転向後のキャリアはまだ浅かったとは言え、新日本プロレスのG1クライマックスにも参戦経験があり、天山広吉や真壁刀義にも勝利しているし、プロレス界でもそれなりの実績を積んでいた大物選手です。
その曙にJr.ヘビー級の土井が勝っちゃうなんて、日本マット界の”格”が、メチャクチャになったと思わせる瞬間でした。 さすがにフィニッシュは体格に関係なく決める事の出来る バカタレスライディングキックがでしたが・・・
もし 曙を倒した技がマスキュラーボムだったのなら、説得力が有り過ぎるので 何の文句も不満も無かったんですけどね。
でも土井が、曙にマスキュラーボムをかける所を一度観てみたかったです。
230Kgの曙にそんな事をやっちゃったら、曙の首がぶっ壊れて大事故になりかねないから、本当にやられていても困りますけどね。
その前に曙の巨体に、マスキュラーボムを仕掛ける事が、そもそも不可能でしょうけど・・・