新日本プロレスvsNOAHの全面対抗戦のダブルメインイベントで、試合順からしても実質的なメインイベントとなったのは、オカダ・カズチカ、棚橋弘至vs武藤敬司、清宮海斗
清宮は去年からレインメーカーと闘いたいと言い続けていて、それが実現する形でのタッグマッチですが、オカダ&棚橋の新旧エースタッグは余りにも強大なチーム。
武藤はともかく まだ若い清宮が新日本の2大巨頭を相手に、どこまで力を示せるのか?と言うのが一つのテーマだったかも知れません。
清宮はまだ若いとは言えGHCも獲っているし、グローバルリーグも制しているので、棚橋&オカダにも引けを取らない闘いを見せると思っていましたが、いざ始まってみると意外や意外
完全に棚橋&オカダの横綱相撲。
場外でダウンする清宮に対して「調子に乗ってんじゃねぇぞ!さっさと上がって来い!!」とオカダにしては、珍しく厳しい口調で罵倒します。
清宮の打撃も涼しい顔で受けると 逆に強烈なエルボーで悶絶させるオカダ。
こんなオカダの攻めを観るのは、非常に珍しい事ですね。
棚橋のテキサスクローバーホールドもかなりキツい角度で、清宮を絞めあげていたし エプロンから何度も撃を飛ばす武藤。
まるでトップレスラー3人に対して ヤングライオンが一人混じっている様な、そんな感じさえしてしまう程に、清宮だけ格が違う感じのやられっぷりでした。
武藤とオカダの絡みも注目されていた一戦でしたが、その闘いを見て火が付いたのか、終盤には清宮も凄まじい勢いで、エルボーやジャンピングニーを撃ちこみ ようやく一矢報いて行きます。
武藤のアシストを受けて オカダに高角度のジャーマンからの必殺のタイガースープレックスを炸裂させた所が唯一の勝機でしたが、カットに入る棚橋の動きを目で追っていたオカダには、まだまだ余裕がありました。
強烈なエルボースマッシュの連打から 引き込み式ラリアット、旋回式ツームストン、開脚ドライバーとフルコースを受けてからの レインメーカーで遂に清宮も撃沈。
終盤には意地を見せましたが、まだまだ清宮とオカダの間には、大きな差が有った様に感じた一戦でした。
試合前に棚橋は「残酷な結果になる」と言っていましたが、本当にその通りになるとは思いもしませんでした。 両者の間には明確な力量差があったのは、紛れもない事実でそれは解説席に居た小橋建太や蝶野正洋も認めています。
残酷な現実を思い知らされた清宮は、試合後に号泣しますが
「そんなんで泣いてんじゃねぇよ!帰れ さっさと!邪魔だ!」とオカダが、これまた普段は言わない様な言葉で、冷たい態度で突き放します。
思うに必要以上に厳しいオカダの態度は・・・いやオカダだけでなく棚橋も武藤も 試合の中で清宮を一段上に、引き上げようとしていたのだと思います。
恐らく業界の発展の為に、他団体とかは関係なく 若きスター候補の清宮を成長させようとしていたのでしょう。
ならば清宮はそれに答えなくてはなりません。
武藤に「泣くな」と慰められながら 引き上げて行った清宮ですが、この悔しさだけは絶対に忘れてはいけません。
清宮はまだ25歳。
本来ならば その若さであのポジションに居る事が凄い事なんですが、現時点でまだ強さが足りないのなら、この悔しさをバネに、もっと練習してもっと強くなって いつの日かもう一度オカダ&棚橋の前に立てば、良いだけです。
身体能力も有る
ガッツも有る
今回は完膚なきまでにやられてしまいましたが、清宮海斗は必ずオカダの位置まで上がって来れる選手です。
試合後のコメントで、オカダがポロリと言った「泣いてる場合じゃないよ」と言うのは、「泣いてる暇が有ったらさっさと強くなれ」と言う オカダの清宮に対する期待の表れでしょうね。
オカダだって かつて東京ドームで、棚橋に敗れ号泣した過去がありますが、それが有ったからこそオカダは強くなったのです。
清宮だって 強くなれる筈です。
泣くな清宮!!
現実を思い知ったからこそ、この悔しさを乗り越えて もっともっと強くなれる筈です!!