2003年に鈴木みのるが、パンクラスから再びプロレスに戻ってきた当初は、パンクラス時代の名残か…スリーパーホールドが主な必殺技でした。
それがいつしか、スリーパーホールドは残しつつも、カール·ゴッチの教えを参考に自分なりの改良を加えてゴッチ式パイルドライバーを必殺技とする様になります。
元は新日本出身だったとは言え、パンクラスに籍を置いていた選手が、パイルドライバーを必殺技にすると言うのは、少々意外な気もしましたが、プロレスに復帰するや直ぐに順応して見せたのは、鈴木のセンスなんでしょうね。
UWFに流れ、ガチガチのパンクラシストだった鈴木が、プロレスに戻ってきた理由の一つとして「佐々木健介との対戦」と言う物がありました。
鈴木と健介は、同期の間柄で若手時代に前座で何度もしのぎを削り、前座の黄金カードと呼ばれるまでに、何度も何度も闘ってきました。
そして いつしか二人の間に約束が交わされた約束が「いつかドームのメインで闘おう」
その後二人は違う道に進みましたが、時は流れ互いにプロレス界の中でも名の通った存在となり、すれ違いを重ねながらも2人が再び出会ったのは、2004年の新日本のリング。
2004年11月時点で、健介は外敵でありながら新日本のIWGPヘビー級王者で、同じく外敵として新日本に上がって暴れまわっているいる鈴木
外敵同士と言う立場ではありますが、新日本は大阪ドームを控えていた事もあり、正にあの時の約束を果たす時がやってきたのです。
佐々木健介vs鈴木みのる
新日本のリングで、外敵同士のIWGP選手権がメインで組まれると言う ある意味当時の弱っている新日本を象徴するタイトル戦でもありましたが、念願の健介戦を控えた 鈴木はここで健介用の秘策として「健介の息の根を止める」とこれまで温めてきた技の解禁を予告。
クロスアーム式パイルドライバー。
相手の両腕をクロスしての パイルドライバーは、一切の受け身を封じた危険技ですが(そもそもパイルドライバーは受け身関係無いとかは置いといて) UWFの鈴木がクロスアーム式の技を使う事にまず驚きました。
実際の効果はさておき、クロスアームする事でワンランク上の技になるのは、プロレス技の常識。
思っていたよりも鈴木のプロレスへの順応度は、高かったようです。
結局 クロスアーム式パイルドライバーを出しても王者としての健介の意地が上回り、鈴木は敗れてしまいましたが「16年越しの約束の対決」を果たせた意義は、大きかったのでしよう。
「息の根を止める」為に開発した危険技なので、滅多に出す事のない大技ですが、新日本では数回だしたのみ、2006年の全日本プロレス参戦時に、太陽ケアとの三冠戦では解禁していますが、それ以降は繰り出してないんじゃないでしょうか?
恐らく今後、もう見る事は出来ないと思います。