ハーフネルソンスープレックスと言えば、フルネルソンの半分だけ・・・要するに片腕だけの羽交い締めで、もう片方の腕で相手の正面に腕を回してタイツを掴みながら投げる技ですが、ハーフネルソンスープレックスと言えば誰もが小橋建太をイメージするでしょう。
実際にハーフネルソンスープレックスは、小橋のオリジナルだし 何故か他に使い手が余り居ないので、それも当然だと思います。
しかし基本的にスープレックスと言えば、投げて固めてフォールを奪う物ですが、投げっ放しジャーマンの出現により、プロレスのスープレックスではホールドしないスープレックスも大流行。
その流れは旧・全日本プロレスでも多く見られました。
ハーフネルソンスープレックスの開発者の小橋もこの技で、ホールドした事は一度も無く 必ず投げ捨てています。
そもそも小橋は、膝が悪い事も有り90年代後半に入ってからは、他のスープレックスでも ホールド自体を余りしませんでしたが、ハーフネルソンに関してはエグイ角度で投げると言うのが、特徴になっていた様に思います。
しかし そんなデンジャラスな ハーフネルソンスープレックスのイメージを一変させる使い手が現れます。
当時NOAHに所属していた菊池毅が、看板を背負い2009年にベスト・オブザ・スーパーJr.に参戦した時に、当時DDT所属で新日本に参戦していた飯伏幸太との他団体同士の公式戦での事。
この当時の菊池は既に、第一線から引いていた感は有りましたが、三沢光晴の没後と言う事も有り 菊池としては三沢の想いも背負ってのスーパーJr.参戦で、同年優勝者の金本浩二を破る等の奮闘をみせていました。
そんな菊池の想いを断ち切ったのは、まさかの飯伏のハーフネルソンスープレックスホールド!
普段はホールドしない技なので、菊池もこれを受けて固められたのは初めてだったでしょう。 予想外の一撃でタフな菊池も沈んでしまいました。
飯伏も何故この技を菊池に出したのか・・・
元祖・小橋の同期で有り盟友の菊池だからこそ 敢えて菊池に出す事に意味を込めていたのだと思います。
時期や階級の違い 活動していた団体の違いで、飯伏は四天王とはほぼ絡んだ事が無いので、小橋と同時代を生きた菊池には、大のプロレスファンだった飯伏が、何か特別な思いを抱いていたのかも知れませんね。(勝手な妄想ですが)
本家の小橋は、投げ捨てる事に重点を置いているので危ない角度で落ちる事が
殆どですが、飯伏の場合はフォール狙いに重点を置いているので、必要以上に危険な角度で落とす事も無く 普通のスープレックスと言う印象。
この菊池戦以外で、ハーフネルソンスープレックスホールドは見た事は有りませんが、自分としては、本家の小橋より飯伏のハーフネルソンスープレックスの方が好きですね。
危ない角度で落としまくるのは確かに凄いとは思いますが、スープレックスはやはりブリッジで押さえ込むのが好きなので、ハーフネルソンスープレックスホールドにしたのは個人的には、大正解だったと思います。
色々とデンジャラスな飯伏ですが、スープレックスに関してはそんなイメージも無いし、まずそんな投げ技は飯伏には似合わないし、また必要もありませんからね。