12月3日の新日本プロレス所沢大会で開催されたスーパーJr.公式戦。
安定のIWGPJr.ヘビー級王者エル・デスペラードを不振にあえいでいたYOHが真っ向勝負で撃破して、開幕から4連敗からの怒濤の巻き返しで4勝目を挙げました。
YOHにとっては苦しい闘いでした。
左足への集中砲火を浴びながら デスペラードの強烈な大技の連続攻撃で苦境に立たされながらも、致命傷になる一撃だけはどうにか避けつつ 切り返し合戦の末に、ドラゴンスープレックスからのダイレクトドライブで激闘に終止符を打ちました。
これまで感情が見えないと散々罵倒されてきたYOH
散々YOHに苦言を呈して来たデスペラードもそうですが、この解説席に座っていたタイチも「こいつには何も期待してねぇ」余りにも辛辣な一言。
YOHにとっては、プロレスラーになってから最も精神的に苦しいシリーズだったかも知れませんが、この日のYOHからは「何としても勝ちたい」と言う気持ちがヒシヒシと伝わって来ました。
YOHはクールなままで良いんじゃないのか?と思っていましたが、やはりこの日のYOHの様に感情が見えると応援している側からしても、つい感情移入してしまいます。
この日のYOHは、絶対に折れない心でとにかく熱かった
関節を決められた際にも、ガムシャラにロープに逃げ 何とか反撃に転じようとしていました。
その必死さが会場にも伝わったのでしょう。
解説席のタイチも試合終盤には、YOHを認める発言をしています。
恐らくYOHの中で、何かが吹っ切れたのでしょう。
試合後のリング上でマイクを渡され、最後のパフォーマンスをするのかと思いきや「ヨッシャーー!」と全身を震わせるように咆哮。
これ以上の言葉を発する事も無くYOHは、引き上げて行きましたが あの魂の咆哮こそが この日のYOHの全てだったのでしょう。
引き上げて行くYOHの姿からは、会心の勝利を掴み取った自信すらも伺えました。
開幕4連敗をした時点では「もう駄目か」と思いましたが、ここに来て星を五分に戻した事で、まだまだ分からなくなって来ました。
現在は宿敵のSHOが、先頭を走っている状態ですが、この後の展開次第では決勝進出は充分に可能です(勿論勝ち続ける事が大前提ですが)
何かのきっかけで、人間は変わります
YOHは間違いなく変わりました。
自分のはるか先を行ってしまったSHOに追いつく為に、YOHはこれまでキャリアの全てをかけて この公式戦に挑んでいます。
最初こそ結果は付いて来ませんでしたが、”諦めない事”が打開策を開いたのだと感じました。
ここまで来たらYOHの決勝進出も期待できそうです。
これまで縁の無かったシングル戦線でもYOHに、ようやく良い風が吹いて来たのかも知れません。
いや 吹いて来たというよりは、”吹かせた” と表現した方が正しいでしょう。