KUSHIDAのバックトゥザフューチャー

高橋ヒロムが凱旋してくるまでの数年間 新日本Jr.を支えていたのは、KUSHIDAでした。

そのKUSHIDAは、膝に負担のかかるミッドナイトエクスプレスを封印して、長年 ホバーボードロックを得意技として数々の激闘を制してきましたが、2017年に入ると 更に新たな必殺技を開発します。

 

その名も、バックトゥザフューチャー。

KUSHIDAの入場シーンや、入場コスチュームにホバーボードロックと言う技名からも分かる通りに、KUSHIDAは映画バックトゥザフューチャーが、とても大好き。

余りにも好き過ぎて 映画のタイトルをそのまま拝借して技名にした物です。

 

フィッシャーマンバスターの要領で抱えあげると、素早く自分の右足を相手の右足に掛け 全身の動きを封じた状態で、マットにそのまま叩きつける。

KUSHIDAのオリジナルホールドで、イメージとしてはフィッシャーマンバスターから、空中でスモールパッケージの体勢に移行して そのまま強烈にマットに叩きつけると言う中々斬新な技。


その見た目から バックトゥザフューチャーと言う名称が付くまでの間は、スモールパッケージドライバーと呼ばれていた。

スモールパッケージで叩きつけるとは、良く考えた面白い技ですね。

 

初公開となったのは、2017年のROH遠征でのジェイ・リーサルとの一戦で、衝撃の新技を繰り出し まさかの大金星を奪っている

他団体のJr.ヘビー級選手が、ROHの元世界王者に勝っちゃうなんて、何気に凄い事ですね。 KUSHIDAの評価がアメリカでも高く NXTでも活躍しているのも頷けると言う物です。

 

最後まで全身をロックしている為に、衝撃を逃す術は一切無く 激しくマットに叩きつけるエグイ技なので、その破壊力は抜群。

元々の体勢がスモールパッケージなので、一切のタイムラグも無く すぐさまホールドして相手に回復の時間を一秒も与えずに、フォールを狙えるのも大きな強み。

 

これだけの技なのだから相手も徹底してディフェンスして来る事は、KUSHIDAも最初から想定内だったようで、バックトゥザフューチャーの入り方も実に良く工夫されています。

開発から短期間の間に、ホバーボードロックから 勢いよく相手もろとも転がって引きずり起こし一気に、バックトゥザフューチャーに移行すると言うムーブも開発。

 

この流れる様な連携は素晴らしく、KUSHIDAがいかに考えてプロレスをやっているかが良く分かります。

これまでの必殺技だったホバーボードロックを、バックトゥザフューチャーに繋ぐ為の”予備動作”にすると言うのも結構 思い切った行動ですが、その分相手からすればバックトゥザフューチャーに来るタイミングが分かりづらいのは、あるかも知れませんね。

 

技自体は、良い技だと思います。

スモールパッケージを投げ技にしたのも、そこに繋ぐ為の流れも良く考えられていると思います。

でも映画のタイトルを、そのまま技名にしちゃうのだけは、どうにかして欲しかったかな(笑)