ガンスタンと言えば、現在の新日本プロレスでは、タマ·トンガの得意技として知られていますが、本来はカール·アンダーソンの必殺技。
相手の正面から、飛びついてのダイヤモンドカッターと言う単純な技ですが、その使用用途はかなり広く 様々な局面で使われます。
いや、単純な技だからこそと言うべきでしょうか。
相手の技をあっと驚く形で、ガンスタンで切り返して形勢逆転や一発逆転の場面で使われる事もあれば、試合終盤にはガンスタンを絡ませた 切り返し合戦など、非常に多くの見所を演出出来る技でもあります。
2008年から新日本プロレスに、レギュラー参戦していたアンダーソンは、当初はスパインバスターをフィニッシュにしていましたが、この頃はもっぱらジョバーとして仕事をこなしていました。
ジャイアント·バーナードとタッグを結成したのも大きいと思いますが、やはりガンスタンを使いだしてからが、アンダーソン個人の価値を高めていったのに一役買ったのだと思います。
上記でも挙げたように、ガンスタンは様々な局面で使える為に、試合も盛り上げられるし 見た目の派手さに比べて危険度も低いので、そういう点ではガンスタンは、非常に優れた技と言えます。
元々ダイヤモンドカッター自体が、相手の”受け”に依存している部分も多い技なので、棚橋弘至や中邑真輔など受けを得意としている選手が、新日本TOPに居たのもアンダーソンが、ブレイクを果たせた要因の一つである事は間違い無いでしょうが、それ以上にアンダーソンの試合運びの旨さが、ガンスタンの魅力を引き出したのもまた事実でしょう。
とは言え、ガンスタンを使い始めた当初は、まさか この技で棚橋や中邑からフォールを奪うなんて想像もしてませんでした。
個人的なベスト・ガンスタンは、2010年のG1開幕戦での棚橋弘至戦ですが、順当に考えれば、誰もが棚橋の勝利を予想していたと思います。 実際僕もそうでした。
終盤に棚橋がフィニッシュに、ハイフライフローを狙い、これで勝負ありか・・・と思わせておき 下で待ち構えていたアンダーソンが、飛んで来た棚橋をガンスタンでキャッチして そのまま叩きつけて まさかの3カウント!
G1開幕戦にして値千金の大金星を挙げたのです。
これは、タイミング・破壊力もバッチリの文句なしの一撃でした。
この時点では、棚橋の方が圧倒的に格上にも関わらず これ以降 棚橋はアンダーソンとの対戦では「ハイフライフローに行くのが怖い」と恐怖症になった事まで告白しています。
ハイフライフローを完封して、ACEにここまで言わせてしまうのだから アンダーソンのガンスタンは恐るべし・・・と言わざるを得ません。
そんなアンダーソンも2016年に、新日本を退団してしまいガンスタンを観る事は出来なくなってしまいましたが、現在ではバレットクラブの後輩であるタマ・トンガが、しっかりとガンスタンを受け継いでいます。
バレットクラブと言えば、ブラディサンデーやスタイルズクラッシュ等 歴代リーダーの技を現メンバーが使用する事ばかりが話題になりがちですが、こうしてアンダーソンのガンスタンも継承されているのは、何だか嬉しいですね。