初めて観たプロレス技の中には、その発想に驚いたり 単純に技のスゴさに驚いたり・・・逆にガッカリしたりと、それこそ色々な感想があるものです。
2000年代前半に、鈴木鼓太郎のブルーデスティニーを初めてNOAHのテレビ中継で観た時は、なかなか衝撃的でした。
相手を背中合わせで担ぐと、相手の両足を折り曲げて つま先を自分の腰に引っ掛けて固定しておき 更に首を両手で掴んでから開脚ジャンプを加え、その着地の衝撃で全身に衝撃を与える技。
関節技や打撃技を別とすれば、ほとんどのプロレス技は、マットに叩きつける事で直接的なダメージを与えるのが普通ですが、ブルーデスティニーに関しては直接マットに叩きつけるのではなく 相手を固定した状態でジャンプして着地する事で、相手の全身に強い衝撃を与えると言う これまでのプロレス技とはダメージの種類が全く異なります。
唯一着地の瞬間に、相手は両膝を一緒にマットに打ちつけられる事になりますが、それはあくまで副産物的な物で、メインは全身へ衝撃を与える事。
鈴木鼓太郎が、ハワイで習得したと言う斬新な必殺技。
頭と脚がホールドされて衝撃の逃げ場が無い為に、見た目以上に相手の受けるダメージは大きいと思われ、鼓太郎がこれを最大の必殺技としていた時代は、決まりさえすれば結構な勝率を誇っていました。
技を決めた後にロックを解かずに、そのまま締めあげるブルーデスティニー固めや、リッキー・マルビンとツープラトンで決めるパーフェクトブルーデスティニー等の派生技も編み出しており、個人的に鼓太郎はそこまで好きな選手では有りませんでしたが、ブルーデスティニーは大好きな技でした。
重い相手には仕掛けにくそうな技ではありますが、何とヘビー級の三沢光晴にも成功させた事があります。 ただ さすがに、ヘビー級に敢行する場合は、叩きつける直前に足のロックが、外れたりする事も多く 完全な形で極める事は、なかなか難しいようですね。
身体のサイズの問題も有るからこれは、しょうがないですね。
好きな技ではあったんですけど、この技の欠点は、体勢に入るまでに物凄く時間がかかる事で、背中に担いでから「よいしょよいしょ」と相手の片足ずつ折り曲げて自分の腰に引っ掛ける動作をしてから、両手で首を掴んでやっと完成なので、まるで組み立て作業の様でした(笑)
そこを少しでも改善する為に、パワーボムの体勢から背中まで一気に担ぎ上げて、ブルーデスティニーの体勢までスムーズに入るパターンを完成させています。
その場合 担がれた相手の両足は、自動的に折れ曲がり鼓太郎の腰に引っ掛かる不思議な動きをするんですけど、まぁこれはこれで・・・
それらも含めて 本当に好きな技だったんですが、レクイエムやタイガードライバー等の新たな必殺技の習得により、徐々にブルーデスティニーの必殺技としての価値も落ちていき、フォールが返される事も珍しくなくなり、現在ではフィニッシュになる事もほぼ無くなってしまいました。
こう言うのは、どの選手でも良くある事だし、技のインフレもプロレスでは良くある事なので、まぁ しょうがないんでしょうね。
残念ですけど。