10月21日 新日本プロレスの日本武道会大会で行われた G1クライマックス最終戦。
総勢20名による一ヶ月もの闘いは熾烈を極めましたが、過酷なリーグ戦を勝ちぬき日本武道館のファイナルの舞台に立ったのは・・・
オカダ・カズチカ
飯伏幸太
蓋を開けてみれば順当と言うか、サプライズとも言えない 決勝戦まで来ても全くおかしくない二人による決勝戦。
この2人が闘うのだから想像通りの大激戦となりましたが、最後の最後に誰も想像出来なかった結末を迎えてしまいました。
試合終盤に勝機を見出した飯伏が、フェニックスプラッシュを解禁して華麗に宙を舞ったのですが、これを間一髪オカダが避けた事で、飯伏は顔面か肩のあたりから危険な角度で、マットに自爆してしまいました。
そのままうずくまり起き上れない飯伏に、レフリーが駆け寄るとここでまさかのレフリーストップ!! 何とG1決勝でアクシデントにより 前代未聞の予想外のTKO決着となってしまいました。
勿論ここに関しては、完全なアクシデントなので飯伏が悪い訳ではありませんし、こんな結末になって一番悔しい思いをしているのは、飯伏本人でしょう。
今年に入ってから前半は、IWGPを統一して新日本を牽引していたのに、後半には統一したIWGP世界ヘビー級を初防衛で失い、病に侵され東京ドームのメインに穴を開けてしまい、G1にはアクシデントで不完全燃焼に終わってしまうと言う・・・ここまで不運が重なると飯伏のメンタルも心配になってきます。
不本意な形で勝者になったオカダもG1を優勝したと言うのに、勝者らしく勝ち誇った姿では無く 動けない飯伏を見守るしかありませんでした。
しかし勝ちは勝ち。 優勝は優勝です。
これでオカダは、7年振りの優勝。
3度目のG1制覇となります。
誇って良い成績です。
そして まさかの結末にザワつく会場の空気の中で、オカダの締めが始まるのですが、ここから更に新たな混乱の火種が落とされる事になります。
「飯伏ともう一度やらせてください」「新日本は俺が背負います」と公言したまでは、良かったのですが
「飯伏を待つ証として4代目IWGPヘビーを俺にください」
この言葉が、現・IWGP世界ヘビー級王者の鷹木信悟の逆鱗に触れ オカダがその言葉の真相を触れる程に、事態はややこしい事になっていきます。
ここでオカダが言っているのは、鷹木に挑戦して「4代目IWGP世界ヘビー級王者」になると言う事ではなく 統一された「4代目のIWGPヘビー級王座」をくださいと言う事。
これは現王者として無視された形になる鷹木が、面白くないのは当然で「今はIWGP世界ヘビーで動いてんだ!」と言う鷹木の主張はその通りですし、鷹木の王座に挑戦という質問になった際の「挑戦するのは向こうでしょ?」とオカダに上から目線で語られる事に対しても、怒りを覚えるのは当然だと思います。
オカダは過去に「IWGP世界ヘビー級 クソだせぇよ」と言う発言をした事がありましたが、あれから半年が経ってもオカダは全くブレてないですね。
オカダが、4代目IWGPヘビーに対して 思い入れがあるのは分かるだけに、オカダにせよ鷹木にせよ もはやどちらも一歩も引けないでしょう。
本来ならば来年の1.4で、オカダvs鷹木が実現するのが通例なんですが、こうなって来ると目指す物が全く違って来るので、どうなるのか分かりません。
今年のG1は激戦続きでしたが、最後の最後に不完全燃焼。
そして今になって IWGPヘビー級とIWGP世界ヘビー級の問題が再燃して来てオカダのG1 V3の話題すらも霞んでしまいそうな、ピリピリした雰囲気になってしまいました。
今年のG1は、有る意味 歴史に残る大会になるかも知れません。